就職活動の面接、最後の「何か質問はありますか?」という問いに、あなたはどう答えていますか?「特にありません」は論外として、ネットで調べたありきたりの質問を繰り返してはいないでしょうか。逆質問は、実は自分を最大限にアピールできる絶好のチャンスです。この記事を読めば、他の就活生と一線を画し、面接官の記憶に深く刻まれる「意味のある逆質問」ができるようになります。さあ、あなたも面接官の心を動かす質問力を手に入れましょう!
総合評価:★★★★★
この記事で紹介する逆質問は、単なる疑問解消のためではありません。面接官、特に採用権限を持つ役員クラスの心を動かし、「この学生と一緒に働きたい!」と思わせるための戦略的なコミュニケーション術です。あなたの熱意とポテンシャルを最大限に伝え、内定をグッと引き寄せましょう。
- 見どころ① 面接官の心を動かす質問の本質:★★★★★
- 見どころ② 即実践できる具体的な逆質問4パターン:★★★★☆
- 見どころ③ 質問の威力を倍増させる事前準備:★★★★☆
そもそも「逆質問」を勘違いしていませんか?
多くの就活生がやってしまいがちなのが、学校の先生に質問するような感覚で逆質問をしてしまうことです。「御社の〇〇事業について、具体的に教えてください」といった質問、心当たりはありませんか?
もちろん、知りたいという意欲は素晴らしいです。しかし、ビジネスの世界で評価される質問は、それとは少し違います。Utsuさんが指摘するように、ビジネスにおける質問とは、「まず自分の理解を表明した上で、そこの差異や解釈について尋ねること」なのです。
つまり、ゼロの状態から「教えてください」と尋ねるのではなく、「私は〇〇について、このように理解しています。この解釈で合っているでしょうか?」あるいは「〇〇という点について、さらに詳しくお伺いしたいです」というスタンスが求められます。この違いを理解するだけで、あなたの質問の質は劇的に向上し、面接官に「お、この学生は違うな」と思わせる第一歩になります。
豆知識:なぜ「自分の理解」を示すことが重要なのか?
ビジネスの現場では、常に限られた時間で成果を出すことが求められます。相手にゼロから説明させるのは、相手の時間を奪う行為と見なされかねません。事前に自分で調べ、仮説を立てた上で質問することで、「自分で考える力がある」「相手への配慮ができる」というビジネスパーソンとしての基本姿勢を示すことができるのです。
面接官の心を鷲掴みにする「オヤジ殺し」の極意
Utsuさんは、年配のビジネスパーソンの懐に入るのが得意なことから、ご自身のことを「オヤジ殺し」「爺殺し」と表現しています。これは就活の面接、特に採用権限を持つ役員クラスとの最終面接において、絶大な効果を発揮するスキルです。
では、その極意とは一体何なのでしょうか?
それは、「相手に気持ちよく、自分の話をさせること」です。
考えてみてください。人は誰しも、自分の話を聞いてもらいたい生き物です。特に、自分が情熱を注いできた仕事の話や、困難を乗り越えた経験談、いわゆる「武勇伝」を語る時は、誰だって気分が高揚します。その「気持ちよさ」を面接官に提供できたなら、どうでしょう?あなたに対する印象は、間違いなくポジティブなものになるはずです。
採用の最終決定権を持つ人々は、ロジックだけで判断するわけではありません。「君、面白いね!」「一緒に働いたら楽しそうだ」といった、感情的な「心の針」が動いた瞬間に、「採用」が決まることも少なくないのです。ハキハキと話すこと以上に、相手の感情を動かすこと。これが、逆質問における最強の戦略と言えるでしょう。
実践!面接官を唸らせる具体的な逆質問4パターン
それでは、具体的にどのような質問をすれば、面接官の「話したいスイッチ」を押すことができるのでしょうか。Utsuさんが提案する4つの強力なパターンをご紹介します。
パターン1:相手の「武勇伝」を引き出す質問
面接官が営業部門の責任者であれば、その方のキャリアや成功体験に焦点を当てた質問が有効です。
質問例:
「〇〇様が、これまでのご経歴の中で『これが自分の営業としてのターニングポイントだった』と感じられたご経験について、もし差し支えなければお聞かせいただけますでしょうか。」
この質問のポイントは、相手へのリスペクトを示しつつ、その人自身のパーソナルな物語を引き出そうとしている点です。誰もが自分のキャリアにおけるハイライトを持っています。その一番おいしい部分を「ぜひ聞かせてほしい」と頼まれれば、喜んで話してくれる可能性は非常に高いでしょう。話を聞きながら、あなたがそのエピソードから何を学び、どう自分のキャリアに活かしたいかを伝えられれば、完璧です。
パターン2:「会社の危機」を尋ね、挑戦意欲をアピールする質問
「大手企業だから安泰だ」と考える学生が多い中、会社の困難な時期に目を向ける質問は、あなたの視野の広さと挑戦意欲を示すことができます。
質問例:
「現代はどのような企業も安泰ではないと考えております。御社が過去に経験された〇〇(例:東日本大震災やリーマンショックなど)のような大きな危機を、社員の皆様はどのようにして乗り越えられたのでしょうか。その原動力についてお伺いしたいです。」
この質問は、あなたが単なる安定志向ではなく、困難な状況にも立ち向かう覚悟があることを暗にアピールできます。会社の歴史や社風といった、より深い部分に興味があるという姿勢も伝わります。面接官は、自社の歴史を振り返りながら、当時の苦労や社員の結束力を誇らしげに語ってくれるかもしれません。
パターン3:「個人の経験」にフォーカスする質問(キャリア・開発秘話)
面接官個人の経験に踏み込むことで、よりパーソナルな関係性を築くことができます。これは文系・理系問わず使えるテクニックです。
- 文系学生向け(海外志向の場合):
「私は将来、海外で活躍したいと考えております。〇〇様が初めて海外に駐在された際に、最もご自身の成長に繋がったと感じるエピソードがございましたら、お聞かせいただきたく存じます。」 - 理系学生向け(技術・開発職の場合):
「御社の製品の中で、最も開発が困難だった、いわゆる『難産だった』製品についてお伺いしたいです。その困難を、開発チームの皆様はどのように乗り越えられたのでしょうか。」
これらの質問は、相手が経験してきた「リアルな苦労」と「成長の物語」を引き出します。人は、自分の個人的な体験から得た教訓を若い世代に伝えたいと思うものです。あなたの質問は、その絶好の機会を提供するものとなるでしょう。
豆知識:トヨタのプリウス開発秘話
Utsuさんの動画でも例として挙げられていましたが、初代プリウスの開発はまさに「難産」の連続でした。開発期間は当初の計画を大幅にオーバーし、社内からは「本当に売れるのか」という声も上がっていたと言います。こうした企業の歴史的なプロジェクトについて事前に調べておくと、より具体的で深みのある質問ができます。
パターン4:「創業者のエピソード」から会社の魂に触れる質問
企業の根幹には、創業者の精神やビジョンが宿っています。そこに触れる質問は、あなたの企業理解が非常に深いことを示します。
質問例:
「私は創業者である〇〇様の『(具体的な言葉や理念)』というお考えに深く感銘を受け、御社を志望いたしました。〇〇様(面接官)は、創業者の方と直接お仕事をされたご経験がおありかと存じますが、〇〇様が最も心に残っている創業者のエピソードや、お人柄が伝わるお話がございましたら、ぜひお聞かせいただけないでしょうか。」
この質問は、特に採用権限を持つような、会社に長く貢献してきた役員クラスの心に強く響きます。彼らにとって創業者は特別な存在であり、その思い出を語ることは、会社のDNAを次世代に継承する行為そのものです。あなたがその「魂」の部分に興味を持っていると知れば、あなたの評価は間違いなく高まるはずです。
逆質問を成功させるための「最強の事前準備」
ここまで紹介してきた質問は、いずれも強力ですが、その効果を最大化するためには不可欠な準備があります。それは、「面接官のプロフィールを事前に徹底的に調べること」です。
二次面接以降は、面接の日程調整の電話などの際に「失礼ですが、当日の面接官はどのような部署の方でしょうか?」と尋ねてみましょう。役職や名前が分かれば、企業の役員紹介ページやIR情報、過去のインタビュー記事などを検索し、その人物がどのような経歴を持ち、どの事業領域を担当しているのかを把握します。
そして面接の場で、「〇〇専務は、長年開発部門の責任者を務められていると拝見いたしました」といった一言を添えるだけで、面接官は「こいつ、よく勉強しているな!」と驚くはずです。この「下調べ」という一手間が、他の就活生との圧倒的な差を生み出すのです。
あなたも面接官の記憶に残る存在になれる!
いかがでしたでしょうか。逆質問は、自分を試される「テスト」の時間ではありません。面接官という一人の人間に対して、敬意と興味を持ち、その人の物語を引き出す「対話」の時間です。
今回ご紹介したUtsuさん流の逆質問術の根底にあるのは、「相手に気持ちよく話してもらう」という、非常にシンプルな考え方です。このマインドセットを持ち、しっかりとした事前準備の上で戦略的な質問を投げかけることができれば、あなたの印象は劇的に変わります。
ありきたりの質問はもうやめましょう。面接官の心を動かし、「この学生、面白い!採用!」と思わせるような、あなただけの逆質問を武器に、最終面接を突破してください。応援しています!
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