「書いて覚えるのが一番!」「アプリで勉強した方が効率的!」
勉強法に関する議論は尽きませんよね。特に学生時代、ひたすらノートに書き殴って覚えた記憶がある方も多いのではないでしょうか?しかし、近年ではその勉強法に疑問の声が上がっているんです。「え、そうなの!?」と思われた方もいるかもしれませんね。
実は、科学的な視点から見ると、これまでの常識が覆されるような効率的な勉強法が明らかになっています。この記事では、書いて覚えることの是非から、最新の科学的根拠に基づいた記憶術まで、あなたの勉強法を劇的に変えるヒントをお届けします。もう「やった気になっていただけ…」なんて後悔はさせません!
見どころ
- 効率的な記憶術の紹介:★★★★★
- 科学的根拠に基づいた解説:★★★★★
- 今日から実践できる具体例:★★★★☆
書いて覚えることの真実:効果が低いってホント?
「とにかく書いた方が覚えられる!」そう信じて疑わなかった皆さん、ちょっと待ってください!ネット上では「書かないで覚える方が効率的」「アプリで勉強した方が効率いい」といった意見も飛び交っています。
北海道札幌市で完全個別指導を行う予備校「実力養成会」代表の今野義之先生は、自身も生徒にも「青ペン書き殴り勉強法」を実践し、多くの難関大学合格者を輩出しています。この方法は、青色がストレスを軽減し集中力を高める効果があるため、記憶に定着しやすいとされています。今野先生は「実際に自分の手で書き、口に出すことで定着率は高い」と語っています。
一方で、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』の著者である医師の安川先生は、「見ながらそのまま書き写す」勉強法は効果が低いと指摘しています。なぜなら、情報を記憶したり理解していなくても、ただ書き写すことはできてしまうからです。これは脳にあまり負荷がかかっていない状態なので、学習効果が低いと考えられています。
豆知識: プロ効果
何か情報を黙読するよりも、ブツブツ呟いたり書き出したりする方が記憶の定着が良いことが知られており、これを「プロ効果」と呼びます。書くことが全く無意味というわけではなく、どのように書くかが重要なんですね。
「読んだ気」や「やった気」に注意!
「何度も繰り返し読む」という勉強法もよくありますよね。しかし、これも注意が必要です。
再読やハイライトは効果が低い?
2013年に発表されたダンロス教授の報告書によると、再読やハイライトといった勉強法は、科学的根拠に基づく有用性が低いと結論付けられています。
安川先生によると、何回も文章を読むと、なんとなく文章に慣れて「分かった気」になってしまうそうです。これを「流暢性の錯覚」と呼びます。実際には深く理解したり覚えていないのに、なんとなく知った気になったり、やった気になってしまうことがあるため、注意が必要な勉強法と言えるでしょう。
蛍光ペンで線を引く「ハイライト」についても、強調する場所を選ぶのが上手い人とそうでない人がいるため、必ずしも効果的とは言えません。むしろ、線ばかり引いてしまい、引いた部分にフォーカスしすぎてしまうことで、推論問題などでは点数が低くなるという報告もあるそうです。
浜井さんのように「全部引いてました!」という方もいるかもしれませんが、それは「やった気」になってしまっているだけかもしれませんね。もちろん、全く効果がないわけではありませんが、より効率的な方法があるということです。
安川先生直伝!科学的根拠に基づく最高の覚え方とは?
日本とアメリカの医師国家試験にダブル合格し、しかもアメリカの医師国家試験では受験者の上位1%以内という驚異的な成績を叩き出した安川先生。一体どんな勉強法を実践したのでしょうか?
安川先生が一番大切だと語るのは、「アクティブリコール」と「分散学習」です。
アクティブリコール:能動的に思い出す力を鍛える!
アクティブリコールとは、勉強したことや覚えたいことを能動的に思い出す、頑張って記憶から引き出す作業を指します。インプット(情報を入れる)だけでなく、アウトプット(情報を出す)が非常に重要だということですね。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
- 何も情報を見ないで白紙にただ書き出す(白紙勉強法)
- 過去問を解く
- 練習問題を解く
- 暗記カード(フラッシュカード)を使う
- 他の人に内容を説明してみる、教えてみる
- 満員電車などで本が開けない状況でも、何を勉強したか思い出す
安川先生は、特に「白紙勉強法」を実践していたそうです。教科書などを読んだ後、その情報を見ないでひたすら書き出すのです。初めてやると「悲しくなるぐらい覚えてないんですよ…」とのことですが、そこで元の情報に戻って脳にフィードバックし、また隠して書き出すことを繰り返すことで、記憶が定着していくそうです。この方法だと、インプットの集中力も格段に上がるはずです。「絶対覚えるぞ!」という意気込みで取り組めますよね。
また、誰かに教えることも非常に効果的な勉強法です。これは心理学で「プロテジー」として知られており、人に教えることで理解が深まると言われています。情報が分厚くないと人に説明できませんから、自然と深く学ぶことにつながるのでしょう。
分散学習:時間を空けて繰り返す!
分散学習とは、感覚を開けて勉強することです。同じ時間勉強するにしても、一度に集中して勉強するよりも、時間を分けて勉強した方が学習効果が高いことが、様々な研究によって実証されています。
皆さんも「エビングハウスの忘却曲線」を目にしたことがあるかもしれません。これは、人は時間の経過とともに学習した内容を忘れてしまうということを示しています。つまり、一度覚えただけではすぐに忘れてしまうので、繰り返し学習することが重要なのです。
豆知識: 忘却曲線と分散学習
忘却曲線が示すように、人間は覚えたことを時間とともに忘れていきます。分散学習は、この忘却が始まる前に復習することで、記憶の定着を促す効果があります。例えば、英単語を覚える際に、1日1回だけ確認し、忘れたものだけを次の日に復習するという方法も、まさに分散学習の応用と言えるでしょう。効率的に苦手な部分を克服できますね!
「努力するだけ」はもったいない!効率的な勉強で結果を出そう
浜井さんのように「15時間勉強したけど、内容はあまり入ってこなかった」という経験、身に覚えがある方もいるのではないでしょうか?長時間勉強すること自体は素晴らしい努力ですが、それが必ずしも効率的とは限りません。
安川先生は、集中力が続く範囲で勉強することが大切だと語ります。ご自身も、ストップウォッチで集中している時間を測り、12〜13時間程度で切り上げていたそうです。脳が働かなくなるサインを見極めることも、効率的な学習には不可欠なのです。
また、記憶する際の環境や感情も、記憶の引き出しやすさに影響すると言われています。これを「記憶の文脈効果」と呼びます。例えば、試験会場と同じような環境で勉強したり、特定の音楽を聴きながら勉強することで、本番で思い出しやすくなる可能性があります。
そして何より大切なのは、その勉強が自分にとってどのような意味を持つのかを考えることです。「この勉強が自分の人生にどう役立つのか?」と自問自答し、その価値を見出すことで、モチベーションが上がり、記憶の定着にもつながります。
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