「もっと効率的に勉強したい」「短期間で資格を取りたい」そう思っているあなたへ。今回は、米国内科医の安川孝介先生が提唱する、科学的根拠に基づいた「最強の勉強法」をご紹介します。多くの人が実践しているものの、実は効果が低い勉強法から、劇的に学習効率を上げる方法まで、具体的な例を交えながら解説していきます。この動画を見れば、あなたの勉強が「なるほど!」と変わるヒントが見つかるでしょう。ぜひ最後まで読んで、今後の学習に役立ててくださいね。
この動画では、まず多くの人が使っているものの、科学的には有用性が低いとされている勉強法について解説しています。例えば、「繰り返し読むこと」や「ハイライトすること」は、あまり効果的ではないとされています。次に、効果が高いとされている勉強法について、論文などの科学的根拠に基づいて詳しく説明しています。そして最後に、英単語や数字の羅列など、覚えにくいものを記憶するための具体的な方法が紹介されています。安川先生ご自身の驚くべき学習経験も踏まえながら、非常に実践的な内容となっています。
残念!科学的には効果が低いとされている勉強法
「え、今までやってたのに!?」と驚く人もいるかもしれません。実は、多くの人が無意識に行っている勉強法の中には、科学的にはあまり効率的ではないとされているものがあります。時間の無駄にならないよう、まずはその落とし穴から見ていきましょう。
繰り返し読む・再読は効率が悪いってホント?
教科書を何度も繰り返し読んだり、「7回読めば覚えられる」といった勉強法を耳にしたことはありませんか? 実際にアメリカの大学生を対象としたアンケート調査でも、約84%の学生が「再読」を勉強方法として利用しており、半数以上が「最も重要」だと考えているそうです。しかし、残念ながらこれは効率の良い勉強法とは言えません。
- ある研究では、文章を読んだ後に穴埋め問題を解いてもらったところ、2回読んだ人は1回読んだ人よりも正答率が高かったものの、それ以上の再読では効果がほとんど上がらなかったことが分かっています。
- ダンロス教授らによる2013年の報告書では、「今ある科学的根拠に基づき、再読の有用性は低いと評価する」と結論付けています。つまり、100年以上の学習方法の研究から、「ただ繰り返し読むだけ」ではあまり効果がないと考えられているのです。
時間をかけて教科書や参考書、英単語帳を何度も読んでいるのに、なかなか覚えられない、テストの点数が伸びないと感じているなら、別の勉強法を試す時期かもしれませんね。
豆知識: 授業のノートを読み返すだけの勉強法も、他の学習方法と比べて効果が低いと報告されています。インプットだけでなく、アウトプットを意識することが重要です。
蛍光ペンでハイライトは自己満足!?
蛍光ペンで教科書の重要な部分に線を引く、通称「ハイライト」。「なんか勉強した気分になる!」と私も昔はよくやっていました。でも、これも残念ながらあまり効果的な学習方法とは言えません。
- 1974年の論文では、学生を「ハイライトをしないグループ」「ハイライトをするグループ」「他の人がハイライトしたものを読むグループ」に分けてテストを行ったところ、テストの点数に差がなかったと報告されています。
- ダンロス教授らの報告書でも、「今ある科学的根拠に基づくと、ハイライトや線を引くということは有用性が低いと評価する。これまで検証されたほとんどの場面で、またほとんどの参加者においてハイライトはパフォーマンスを向上させる効果はほとんどありません」と厳しい評価です。
強調すべき内容をうまく選べる人には多少効果があるようですが、多くの場合、ハイライトは「勉強した気になっているだけ」の自己満足に終わってしまう可能性が高いのです。
これぞ最強!科学的に効果が高いと証明された勉強法
さて、ここからは、あなたの学習効率を劇的に向上させる、とっておきの勉強法をご紹介します。僕自身も実践して効果を実感している方法なので、ぜひ試してみてください。
アクティブリコールで記憶を定着させる!
「アクティブリコール」とは、一言で言えば「能動的に思い出す、アウトプットする」ことです。これを意識するだけで、あなたの勉強効率は劇的に変わるはずです!
インプットだけでは不十分!アウトプットの重要性
多くの人は、「たくさん本を読む」「講義をたくさん聞く」など、ひたすらインプットすることに集中しがちです。確かにインプットは重要ですが、それだけでは非常に効率が悪いことが分かっています。学習において決定的に重要なのは、思い出すこと、つまりアウトプットすることなのです。
- 脳みそから知識を取り出す作業そのものが、記憶を定着させる効果的な方法であることが、何百という研究から明らかになっています。「自分が覚えているかを確認する作業」だと誤解されがちですが、実はアウトプットすること自体が学習なのです。
アクティブリコールの驚きの効果!
科学雑誌『サイエンス』に掲載された有名な研究があります。80人の大学生を4つのグループに分け、学習効果を調べたものです。
- 1回だけ勉強するグループ
- 繰り返し読んで勉強するグループ
- 概念マップを使って勉強するグループ
- 学んだことをできるだけ思い出す「アクティブリコール」をするグループ
1週間後、内容についての試験と推論問題を解いてもらった結果、最も高い点数を取ったのは「アクティブリコール」をしたグループでした。面白いことに、このグループの学生たちは、自分たちはそれほど覚えていないだろうと予想していたそうです。つまり、一番効果がなさそうだと評価されたアクティブリコールが、実は一番効果があったということになります。これは驚きですよね!
アクティブリコールのアウトプット例:
練習問題やクイズを解く以外にも、様々な方法があります。
- 勉強したことをただ書き出す
- 暗記カードを使う
- 声に出してブツブツつぶやく
- 誰かに教えるふりをする
- 電車の中で昨日学んだことをできるだけ思い出そうとする
これらは全て立派なアクティブリコールです。僕のおすすめは、教科書を読み終えたら、何も見ずに白い紙に覚えた内容を書き出す方法です。汚い字でも、書き殴るようにアウトプットしてみてください。さらに声に出したり、誰かに教えているふりをしながらだと効果は倍増しますよ!
「思い出す作業は脳に負荷がかかるし、自分が覚えていないことが分かって悲しくなる…」と、つい避けてしまいたくなるかもしれません。でも、この「ちょっと嫌だな」と感じる負荷こそが、記憶を強くする鍵なのです。頑張ってアウトプットする作業を怠らないでくださいね!
間隔反復・分散学習で忘れにくくなる!
もう一つ効果的な学習方法が「間隔反復(Spaced Repetition)」です。これは「分散学習」とも呼ばれ、学習内容を一度にまとめて勉強するよりも、間隔を開けて複数回に分けて勉強する方が記憶に定着しやすいという考え方です。
- 人間の脳は、ドイツの心理学者エビングハウスの「忘却曲線」で有名なように、覚えたことを時間とともに忘れていくようにできています。しかし、間隔を開けて繰り返し学ぶことで、この忘却曲線が緩やかになり、長期的に記憶が維持されると考えられています。
- ある研究では、10歳の子どもたちに英単語を学んでもらった結果、同じ勉強時間でも、まとめて勉強したグループより、2回に分けて間隔を開けて勉強したグループの方が5週間後のテストの成績が良かったという結果が出ています。
一夜漬けで詰め込むよりも、計画的に分散して学習する方が、長期的な記憶には圧倒的に有利だということです。テスト前だけでなく、日頃から少しずつ触れていくことが大切なんですね。
重要ポイント: ダンロス教授らの2013年の論文でも、間隔反復は「有用性が高い」と評価されています。
アクティブリコールと間隔反復の最強コンボ!「連続的再学習」
さて、ここまで紹介した「アクティブリコール」と「間隔反復」。この2つを組み合わせた勉強法こそが、まさに「最強」です。これは「連続的再学習(Successive Relearning)」などと呼ばれます。
- まず最初に勉強する時、アクティブリコールを使って1回から3回、内容を思い出せるように練習します。
- その後、数日から1週間後といった適切な間隔を置いて、再度アクティブリコールを行います。この「思い出す作業」を繰り返すことで、記憶がより一層定着するという研究報告があります。
- 通常の勉強方法とこの連続的再学習を比較した調査では、連続的再学習をしたグループの方が、3日後と24日後の試験の点数がはるかに良かったことが報告されています。
このYouTube動画を見終わった後も、すぐに次の動画に行くのではなく、一旦停止して、今学んだ「アクティブリコール」や「間隔反復」について、頭の中で思い出すだけでもOKです。声に出したり、紙に書き出したり、誰かに話してみるのも良いでしょう。このちょっとしたアウトプットが、動画の内容をあなたの記憶にグッと定着させてくれるはずですよ!
どうしても覚えにくいものには「記憶術」を!
「なんだか難しい病原体の名前…」「歴史の年号や数字の羅列…」「ピンとこない英単語…」。どんなにアクティブリコールや間隔反復を頑張っても、どうしても覚えにくいものってありますよね。そんな時に僕が使っているのが、「記憶術」です。これは紀元前から存在している、まさに人類の知恵の結晶と言えるでしょう。
記憶術の基本は「イメージ変換」
記憶術を一言で言うなら、「覚えにくいものを、覚えやすいイメージに変換する」これだけです。例えば、僕は「世界恐慌」と聞くと、ウォール街の高いビルから肉が降ってくる場面を想像してしまいます。なぜかって? それは、世界恐慌の年号「1929年」を覚えようとした時に、「29」を「肉」というイメージに変換し、「株価暴落」と「肉が落ちてくる」という不穏なイメージを結びつけたからです。日本語では「語呂合わせ」を使う人が多いですが、僕のおすすめは、具体的な「もの」や「人」に変換することです。その方が忘れにくいんですよ。
【実践練習】ヒトパピローマウイルスの遺伝子型を覚える!
子宮頸がんを引き起こす重要なウイルス「ヒトパピローマウイルス」には、100以上の遺伝子型が存在し、その中でも子宮頸がんを起こしやすい高リスク群があります。数字の羅列をただ覚えるのは苦痛ですよね。これをイメージに変換してストーリーを作ってみましょう。
- 16: 野球選手の一郎選手をイメージ。パピローマウイルスだから、パピコ(アイス)を一郎さんがバットをくわえながら食べている姿を想像します。変なイメージの方が記憶に残りやすいんです。
- 18: 「いやー」だからイヤホンをイメージ。バッターボックスに立った一郎選手が、パピコをくわえながらイヤホンでヒップホップをガンガンに聞いている…という強烈なイメージを想像します。
- 31: 「さい」だからサメをイメージ。一郎さんに向かってサメが突進してくる!
- 33: 「みみ」だから耳をイメージ。サメが一郎さんの耳を噛みちぎる、というさらに強烈なイメージ!
- 35: 「さんご」だからサンゴをイメージ。噛みちぎられた耳の場所から、なぜかサンゴが生えてくる…という突拍子もないイメージ!
どうですか? これで、「パピコをくわえた一郎さんがイヤホンでヒップホップをガンガンに聞きながらバッターボックスに入ったら、サメが突進してきて一郎さんの耳が噛みちぎられ、そこからなぜかサンゴが生えてくる」というストーリーができました! これで「パピコ→パピローマ」「一郎→16」「イヤホン→18」「サメ→31」「耳→33」「サンゴ→35」がバッチリ覚えられます。他の数字も覚えたいなら、このストーリーをどんどんつなげていくだけです。慣れてくると、このストーリー作りが楽しくなってきますよ!
【実践練習】英単語「Colloquial」を覚える!
「Colloquial(口語の、会話的な)」という英単語を例に、記憶法を練習してみましょう。これもただ書いて覚えるだけでは忘れがちなので、イメージに変換します。
- まず、単語を「Co-llo-quial」と分けてイメージに変換します。意味もイメージに含めると効果的です。
- 前半の「コロ」で思い浮かんだのが、某アニメのキャラクター「コロ助」。
- 後半の「クィア」で思い浮かんだのが「韓国の自動車」です。
これで僕は、「歩道を自分が歩いていたら、いきなり韓国の自動車に乗ったコロ助に話しかけられた」というイメージを想像します。これで、「コロ助が話しかけてくる=会話的、口語の」という意味も同時に思い出せるようになります。自分がしっくり来るイメージを作ることが大切です。最初は時間がかかって面倒に感じるかもしれませんが、慣れると簡単になり、勉強が楽しくなることもありますよ!
その他: 記憶術には「場所法」や「記憶の宮殿」といったものもありますが、普段の勉強ではあまり必要ないと感じるかもしれません。興味のある方は、関連書籍を読んでみてください。
あなたの「学ぶ」がもっと楽しくなる!
今回は、科学的に効果が低いとされる勉強法と、実際に効果が証明されている「アクティブリコール」「間隔反復」、そして覚えにくいものを記憶するための「記憶術」についてお話ししました。
これからのAI時代、知識を脳に記憶する重要性は変わるかもしれませんが、新しいことを学び続ける力はいつの時代も大切です。今回ご紹介した方法を試すことで、あなたの学習効率は飛躍的に向上し、目標達成への道のりがよりスムーズになるはずです。何よりも、学ぶことが「楽しい!」と感じられるようになるかもしれませんね。
この動画を観ることで、あなたの勉強はきっと変わります。ぜひ、今日から実践してみてください!
- 勉強の効率を上げたい人: ★★★★★
- 短期間で成果を出したい人: ★★★★★
- 暗記が苦手な人: ★★★★☆
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