「勉強って何のためにするんだろう…」そう考えたことはありませんか? 今回は、芸人・サバンナの八木真澄さんが実践する、人生を犠牲にしない驚きの勉強法をご紹介します。FP1級という難関資格を独学で取得した彼が語る、効率を求めない、でも確実に結果を出すための哲学とは?
見どころ
・効率を求めない独自の哲学:★★★★★
・努力を継続するための具体的なヒント:★★★★★
・勉強の概念が変わる新たな視点:★★★★☆
芸人からFPへ、新たな挑戦の舞台裏
サバンナ八木さんがFP(ファイナンシャルプランナー)の勉強を始めたきっかけは、レギュラー番組がなくなったことでした。30年近く途切れることなく続いていたレギュラーが突如ゼロになり、50歳を目前にした彼の頭に「この先の人生、どうするんだろう?」という不安がよぎったそうです。そんな時、彼は新たな分野を切り開くため、FPの資格取得を目指すことを決意しました。
FPには3級、2級、そして最難関の1級があります。八木さんは2022年9月に3級、2023年1月に2級と順調に合格。しかし、そこから1級の壁にぶつかり、なんと3回も不合格になってしまいます。そして4回目の挑戦でついに合格を勝ち取ったのです。この驚異的な粘り強さの裏には、彼独自の勉強哲学がありました。
テキストは使わない!八木流FP1級勉強法
八木さんの勉強法は、常識を覆すものでした。なんと、テキストはほとんど使わないというのです。3級、2級はもちろん、最難関の1級の勉強でも、問題集すらほとんど使っていなかったそうです。
では、どうやって勉強していたのでしょうか?
- 100円均一で買ってきたノートのみを使用。
- ひたすら過去問を解く。
- 過去問で間違えた部分を、グラフや図でノートに書き出す。
このシンプルな方法を繰り返していたそうです。そして、過去問を解き終わったら、そのノートは破り捨ててしまうというから驚きです。この方法は一見非効率に見えますが、実は彼の長年の経験から生まれた、理にかなった勉強法でした。
「自分のペース」を大切にする八木流のルーツ
八木さんは、小学校6年生の頃に塾の受験に失敗した経験を持っています。塾の先生のペースについていけず、置いていかれてばかりだったそうです。しかし、2回目の受験では、塾の授業を一切無視し、自宅で教科書を自分のペースで読み進めた結果、見事志望校に合格したといいます。
この経験から、彼は「効率が悪くても、自分のペースで確実に理解することが、忘れにくい強固な記憶を作る」ということを学びました。芸人になってからも、台本を覚える速度や理解力は人それぞれ違うことに気づき、自分は「旧型パソコン」のように処理速度は遅いけれど、一度入れた情報は確実に定着させるタイプだと理解したのです。この自己分析が、彼独自の勉強法を確立する土台となりました。
旧型パソコンのメリット: 八木さん曰く、自分のペースで着実にインプットする勉強法は、講演会などアドリブのない場面で最大限に力を発揮するそうです。一つひとつ積み上げてきた知識が、確実にアウトプットできるからです。
効率を求めないことが、継続のコツ
「効率的に勉強しようと思うから、落ちたときに挫折する」八木さんはそう語ります。勉強を「何のためにやるか」という目的を持たないことも、彼の勉強法における重要なポイントです。彼はトレーニングも30年以上続けていますが、「何の大会に出るわけでもない」と言います。ただ、トレーニングしたことによって「ご飯がおいしく食べられる」「気持ちよく眠れる」といった、「今」が満たされることを大切にしているのです。
勉強もこれと同じです。目的が明確すぎると、その目的が達成できなかったときにすべてが無駄に思えてしまいます。しかし、目標を立てず「今日一日、自分が整うか」という視点で勉強に取り組むことで、毎日が充実し、結果的に継続できるようになるのです。
緊急ではないが重要なこと: スティーブン・コヴィー氏の著書『7つの習慣』で有名な、緊急度と重要度でタスクを分類する考え方があります。八木さんが語る「緊急ではないが重要なこと」とは、この分類における第二領域、つまり「将来のために今やるべきこと」です。勉強やトレーニング、読書などがこれにあたります。多くの人は、緊急なタスクばかりに時間を取られ、この第二領域をおろそかにしがちです。
「圧をかけない」ことが最大の成功要因
八木さんは、子供たちにも「勉強しろ」とは言わないそうです。なぜなら、「勉強に圧をかけると、やる気をなくすから」。「やらなければならない」という状態は、同じことをやるにしても「いつでもやめていい」という状態に比べて、何倍もしんどく感じます。
彼は、勉強を「自分に負荷をかけない」トレーニングだと考えています。トレーニングを挫折する人は、最初から燃え尽きるほど頑張ってしまいます。しかし、八木さんは「どれだけ頑張らないか」を大切にしています。ジムでちょっとだけ汗をかいたり、勉強でほんの少しだけ難しい問題に挑戦したりする。100%の力を出し切るのではなく、80%の力で続けること。この「心地よさ」が、勉強を継続させる秘訣なのです。
勉強はゴールがありません。一生学び続けるものです。だからこそ、焦らず、自分のペースで、楽しく取り組むことが大切です。「受験に失敗したって、別にいい。落ちたら次の日からまた勉強を始めればいいんだから」と語る八木さん。この言葉には、勉強だけでなく人生を豊かに生きるためのヒントが詰まっているように感じます。



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