激変する中国の「リアル」を深掘り!習近平の権力闘争と腐敗経済が暴く真実とは?

激変する中国の「リアル」を深掘り!習近平の権力闘争と腐敗経済が暴く真実とは? インタビュー

複雑な中国を理解することは、ビジネスチャンスを広げるだけでなく、国際的な視野を養う上でも不可欠です。本記事は、私たちが抱く「間違った中国像」を打ち破り、習近平政権下の経済、政治、そして日中関係の深層を解き明かします。中国の「今」を知ることで、あなたの世界観はきっと広がるでしょう。

見どころ

  • 腐敗経済の驚くべき規模と影響:★★★★★
    中国経済のGDP3割を占めていたと言われる「ワイロ経済」。その実態と、習近平総書記の反腐敗キャンペーンが経済に与えた想像を絶するインパクトに迫ります。
  • 習近平の「運」と権力闘争の真実:★★★★★
    毛沢東に比肩するとも言われる習近平総書記の権力闘争術と、彼がトップに上り詰めるまでの「運命的な偶然」のエピソードは必読です。
  • 中国経済の現在と未来、そして日本との向き合い方:★★★★★
    ゼロコロナ政策や共同富裕政策が中国経済に与えた打撃、そして今後の経済動向と、日本が中国といかに戦略的に付き合っていくべきかについて考察します。

中国を理解する第一歩:日本との「違い」を認識する

「本当の中国」とは、一体どのような姿なのでしょうか?多くの日本人が抱く「間違った中国」の認識は、しばしば「日本と中国は似ている」という誤解から生じます。同じ漢字文化圏であり、箸を使い、米を食べる共通点があるため、親近感を覚えるのは自然なことです。しかし、この類似性は古代にまで遡るものであり、現代の中国を理解する上では、むしろその根本的な「違い」に目を向ける必要があります。

日本が海に囲まれた島国であるのに対し、中国は巨大なユーラシア大陸の一部です。この地理的な違いが、両国の国民性や思考原理、行動様式に決定的な影響を与えています。島国は閉鎖的ながらも統一された文化を育みやすい一方、大陸国家は多様な民族と文化が交錯し、常に生存競争に晒されるハイリスクな社会を形成します。この根本的な違いを理解することなしに、中国の本質を捉えることは難しいでしょう。

豆知識:日中間の相互補完関係の深さ
日本と中国は、産業構造においても相互補完関係にあります。例えば、中国がAI技術や電気自動車で躍進する一方で、それらを支える製造装置や精密部品の多くは日本が供給しています。互いに足りない部分を補い合う関係は、一見経済状況が厳しい時期でも、長期的に見れば重要な要素となるでしょう。

習近平政権の腐敗撲滅運動の真相:経済への影響と権力闘争

習近平総書記が2012年末に打ち出した「反腐敗キャンペーン」は、国内外に大きな衝撃を与えました。「虎もハエも叩く」というスローガンのもと、高官から下級役人に至るまで、想像を絶する数の汚職者が摘発されました。その象徴的な例が、隠しマンション100件、愛人200人を抱えていたとされる元政治局常務委員です。庶民はこのような腐敗分子の摘発に拍手喝采を送りましたが、このキャンペーンの裏側には、単なる倫理的な問題だけではない、複雑な権力闘争の構図が隠されていました。

さらに驚くべきは、この腐敗が中国経済に与えていた影響です。2010年の発表では、中国のGDPの約3割が「ワイロ経済」によって占められていたと言います。これは不動産業界に匹敵する規模です。幹部が賄賂を受け取り、高級品を消費し、愛人を囲うことで、ホテル、飲食、不動産などの関連産業が潤っていたのです。反腐敗キャンペーンによって贅沢禁止令が徹底されると、高官たちは隠しマンションを売り払い、愛人と手を切り、高級な消費を控えるようになりました。その結果、これまでの潤滑油となっていたワイロ経済が急激に縮小し、中国経済は深刻な打撃を受けることになったのです。

この反腐敗キャンペーンは、同時に習近平総書記による権力基盤の強化にも繋がりました。摘発された高官の多くは、江沢民派や胡錦濤派といった前政権のグループに属しており、習近平総書記が自身の政敵を排除するための手段としても機能したと見られています。事実、10年間で463万人もの幹部が処分されましたが、その中で習近平総書記自身のグループに属する者が摘発されるケースは極めて少なかったのです。この一連の動きは、習近平総書記がいかに巧みに権力闘争を勝ち抜いてきたかを物語っています。

豆知識:「全民腐敗」という流行語
かつて中国では「全民腐敗」という言葉が流行しました。これは、当時の温家宝首相(実際は彼の家族が宝石利権を独占していたという疑惑があった)の時代に、社会全体に腐敗が蔓延している状況を指す言葉です。ビジネスを行う上で、当局への「ワイロ」が「中国の特色ある消費税」と揶揄されるほど、半ば常態化していた実態があったのです。これは、許可制社会における手続きを円滑に進めるための「スピードマネー」としての側面も持ち合わせていました。

習近平の「運」とカリスマ性:天から授かった皇帝か

習近平総書記が最高指導者の座に上り詰めた背景には、彼の優れた権力闘争術だけでなく、「強運」の存在も指摘されています。本来、彼が後継者となるはずではなかったにもかかわらず、江沢民派と胡錦濤派の激しい権力闘争の末、両者が互いの有力候補を潰し合った結果、第三の候補として習近平が浮上したという経緯があります。

さらに興味深いエピソードとして、鄧小平時代に「幹部の子弟は一人しか政治家になれない」という規則が設けられた際、習近平の優秀な兄が先に政治家となります。しかし、その兄が若くして亡くなったことで、次男である習近平に政治家への道が開かれたという偶然も語られます。まるで運命に導かれるかのように、幾多の障害が自然と取り除かれていったかのような経緯は、彼の周囲にいる人々をして「天から授かった皇帝様」だと感じさせるほどのカリスマ性を生み出しているのかもしれません。専用機が着陸する際に、どんな悪天候でも晴れ間が覗くという逸話も、彼の「運」を象徴する出来事として語られています。

共同富裕の理想と現実:経済政策の変遷と影響

習近平政権が2021年に掲げた「共同富裕」という理想は、富める者と貧しい者の格差が広がりすぎた現状を是正し、国民全体が豊かになることを目指すものでした。その第一歩として、アリババやテンセントといった巨大IT企業に多額の寄付を求め、富の再分配を図ろうとしました。しかし、結果としてこの政策はIT企業のリストラを招き、不動産市場の低迷と相まって、「共同貧乏」という皮肉な状況を生み出してしまったのです。

さらに、中国経済に壊滅的な打撃を与えたのが、2020年から2022年まで続いた「ゼロコロナ政策」です。わずか一人でも感染者が出れば都市全体をロックダウンするという強硬策は、上海のような中国最大の経済都市でさえ2ヶ月間の封鎖を経験させ、GDPの大幅な落ち込み、自動車販売台数のゼロ化といった前代未聞の事態を引き起こしました。それまでの経済政策は主に腐敗幹部や一部の富裕層に影響を与えていましたが、ゼロコロナ政策は14億人全員に及び、特に貯蓄のない貧困層を直撃しました。これまでの習近平政権の支持基盤であった庶民層の生活を破壊し、大きな不満を募らせる結果となったのです。

2023年3月に習近平総書記が3期目を開始した際、国民は経済のV字回復を期待しました。しかし、彼が打ち出したのは「発展と安全」の天秤において「安全(国家の政権の安定)」を優先するという方針、そして「反スパイ法」の改正でした。これにより、外資系企業は中国からの撤退を加速させ、経済はさらなる停滞に陥ることになります。外国企業は、人を見たらスパイと疑われるような環境では、安心して事業活動ができないと判断したのです。

中国経済との向き合い方:短期的な厳しさと長期的な可能性

現在の中国経済は、まさに試練の時を迎えています。日系企業が実施したアンケート調査では、「中国経済が良くなると思うか」という問いに対し、肯定的な回答はわずか1%に過ぎないという悲観的な状況が示されています。しかし、これはあくまで短期的な見方であると考えることもできます。

中国政府もこの経済状況を深刻に受け止めており、2024年3月の全国人民代表大会(全人代)を境に、経済優先へと政策を大きく転換させました。それまでの「安全」重視から一転、税金軽減、AIなどの先端産業への補助金、電気自動車や太陽光パネルといった輸出攻勢、さらには「微笑顔外交」と呼ばれる融和的な外交姿勢への転換など、多角的な経済振興策を打ち出しています。地方銀行への公的資金注入や、民間企業のトップを集めた座談会の開催など、経済回復への意欲を見せ始めています。

では、私たちはこの中国とどう向き合うべきなのでしょうか? 短期的には厳しい状況が続くかもしれませんが、中長期的には14億人という巨大な市場は無視できません。インド市場も有望ですが、GDP規模では中国にはまだ及びません。また、習近平総書記が70歳を超え、20年後も政権を担っているとは考えにくいでしょう。将来的に改革派のリーダーが登場する可能性も否定できません。

豆知識:中国国内完結型ビジネスのリスクヘッジ
中国でビジネスを展開する際のリスクは、主に「中国経済の状況」「日中関係」「米中関係」の3つの要素で構成されます。これら全てが悪い状況では短期的な成功は難しいですが、「中国で作って中国人に売る」という国内完結型ビジネスであれば、米中関係や関税の影響を受けにくく、中国国内の景気動向に集中できるというメリットがあります。

日本と中国人の「距離感」:過去、現在、そして未来

中国の歴史を紐解くと、日本は常に「逃げ場」「非常口」としての役割を担ってきました。古代から大陸で動乱が起こるたびに、富裕層や知識人は船で日本に逃れてきた歴史があります。これは、中国大陸が常にユーラシア大陸の西側(シルクロードの先、ローマ帝国など)に目を向け、日本を文明的に魅力的でない「裏口」と捉えていたためです。

近代においても、孫文のような革命家が日本に留学し、思想を育んだ例は少なくありません。そして現在、「潤(ルン)リー」と呼ばれる現象が起きています。中国経済の悪化や政治的締め付けの厳しさから、富裕層や中間層が資産を国外に移し、子供を日本に留学させたり、自身が日本に移住したりするケースが増えているのです。アリババ創業者のジャック・マー氏が一時日本に滞留していたという話も、この文脈で語られることがあります。

しかし、今後の日中関係には複数の警戒すべき要因が横たわっています。一つは、日本の次期首相候補とされる政治家たちが靖国神社に参拝していることです。これは中国側にとって極めて敏感な問題であり、日中関係の冷却化を招く可能性があります。また、中国国内の権力闘争も日中関係に影響を及ぼす恐れがあります。経済重視派が台頭すれば日本との関係改善が進むかもしれませんが、安全重視派が盛り返せば、日本を「敵国」「スパイの温床」と見なし、再び関係が悪化する可能性も否定できません。この中国国内の権力バランスの変動は、日本が予期せぬ形で巻き込まれるリスクを孕んでいます。

そして、台湾問題や尖閣諸島問題も忘れてはなりません。習近平総書記が自身の「レガシー」を残すために、台湾本島ではなく、金門島や澎湖諸島といった小さな島々に武力行使を行う可能性も指摘されています。これが「有事」となれば国際社会に大きな波紋を広げるでしょう。また、台湾への武力行使が難しいと判断した場合、無人島である尖閣諸島への実効支配を強め、それを「中国からの奪還」という形で自身のレガシーとする可能性も警戒が必要です。私たちは、安全保障上のリスクを常に意識し、冷静に状況を見極める必要があります。

中国人を理解する「視点」:声の大きさから国民性まで

日本人が中国人と接する際、しばしば「声が大きい」「周りを気にしない」といった印象を抱くことがあります。しかし、これにも中国ならではの理由が存在します。一つは、巨大な大陸に住み、多様な民族が共存する社会では、自分の意見を主張しないと埋もれてしまうというサバイバル競争のDNAが根付いているためです。また、中国の教育では、小学校から「金の音を出すように朗読しなさい」と指導され、大声で話すことが奨励されます。

さらに、中国語が持つ複雑さも一因です。日本には50音がありますが、中国語には1620もの音節があり、口の中でオーケストラを奏でるように発音しなければなりません。そのため、自然と声が大きくなる傾向があるのです。そして、個人主義が強く、周囲への無関心さが相まって、日本人が感じる「声の大きさ」へと繋がっています。中国人の行動の背景には、必ずその理由が存在します。彼らを理解することは、異文化理解の基礎であり、ひいては良好な関係構築にも繋がるでしょう。

複雑で多面的な国家

中国は、私たちが想像する以上に複雑で多面的な国家です。習近平政権下の権力闘争、腐敗経済の規模、そして国民生活を直撃したゼロコロナ政策は、中国経済と社会に深い爪痕を残しました。しかし、同時に中国政府は経済回復への明確な意思を示し、その巨大な市場と相互補完関係は依然として無視できない存在です。

日本が中国と向き合う際には、短期的なリスクと中長期的な可能性を冷静に見極め、戦略的な関係を築くことが求められます。安全保障上の警戒を怠らず、一方で経済的な相互利益を追求する「等身大」の関係性が重要となるでしょう。感情論に流されることなく、中国という国家と国民の思考原理を深く理解しようと努めることが、今後の日中関係を築く上で不可欠な視点となるはずです。

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