この記事を読んでいるあなたは、就職活動や転職活動の真っ只中で、「どうすれば内定がもらえるんだろう…」と悩んでいるのではないでしょうか。巷に溢れる情報に振り回され、終わりの見えない自己分析に疲弊していませんか?
ご安心ください。採用の本質は、実はとてもシンプルです。この記事では、元人事の視点から、企業が本当に見ているポイントと、内定率を劇的に高めるための具体的な思考法・スキルを徹底解説します。この記事を読めば、採用側の意図を理解し、自信を持って面接に臨めるようになるはずです!
【この記事から得られること】
採用側が候補者を評価する際の、たった3つの視点がわかります。
目的を見失いがちな自己分析から脱却し、内定に直結する「逆算思考」が身につきます。
どんな企業にも応用できる、最強の志望動機テンプレートを手に入れることができます。
【見どころ5段階評価】
- 採用側が見る「たった3つ」のポイント:★★★★★
- 内定直結の志望動機テンプレート:★★★★☆
- ライバルと差がつく「業務理解」の重要性:★★★★★
採用の常識を覆す!企業が本当に見ている「たった3つのポイント」
まず大前提として、企業にとって採用活動とは「投資活動」である、という事実を理解する必要があります。学生の皆さんには少しイメージが湧きにくいかもしれませんが、企業は一人の社員を雇うために、多額のコストと時間をかけています。
では、その投資に見合うリターンとは何でしょうか?
それは、「会社に売上や利益をもたらしてくれること」です。株式会社は、永続的に利益を出し続けることを目的とした組織です。ですから、採用したい人材を一言でいうなら、「入社後に活躍して、会社の利益に貢献してくれる人」に他なりません。
就活生が陥りがちなのは、「この会社がどれだけ好きか」という熱意ばかりをアピールしてしまうことです。もちろん熱意は大切ですが、企業は単なるファンが欲しいわけではありません。「あなたの会社が好きで、かつ、売上・利益に貢献できる、最高のファンです!」と伝えられる人が、内定を勝ち取るのです。
そして、この「利益に貢献できる人材か」を見極めるために、企業が見ているポイントは究極的に以下の3つしかありません。
- 活躍できるか(人物評価):その人の能力、スキル、思考力、スタンスが、自社で成果を出せるものか。
- 長く働けるか(カルチャーマッチ):会社の理念や文化に共感し、すぐに辞めずに定着してくれるか。
- 本当に来てくれるか(志望度の高さ):内定を出した場合、本当に入社してくれる意思があるか。
面接での様々な質問は、すべてこの3つのいずれかを評価するために行われています。このフレームワークを頭に入れておくだけで、面接官の質問の意図が手に取るようにわかるようになりますよ。
豆知識:なぜ「志望度の高さ」がそんなに重要?
特に新卒採用では「志望度の高さ」が極めて重要視されます。なぜなら、企業の採用活動は、中期経営計画など会社の将来を左右する計画と直結しているからです。「3年後に売上を100億円増やすために、新卒を100人採用する」といったように、採用人数は経営層にコミットした「ノルマ」なのです。もし優秀な学生に内定辞退をされると、この計画が狂ってしまいます。特に採用活動の後半で辞退者が出ると、代わりの優秀な人材を見つけるのは困難です。だからこそ企業は、「この学生は本当にうちに来てくれるのか?」という点を非常に気にしているのです。
危険!その自己分析、視野を狭めていませんか?
「哲学者」になってしまう自己分析の落とし穴
「就活の第一歩は自己分析から!」とよく言われますよね。しかし、これが大きな落とし穴になることがあります。分厚い自己分析の本を片手に、「自分のやりたいこととは…」「本当の自分とは…」と延々と悩み続け、まるで哲学者のようになっていませんか?
自己分析に没頭するあまり、就活シーズンになると、普段は授業にも来ないような学生が急に「自己成長」を語り始めたり、「人に感謝されることに喜びを感じる」とマザー・テレサのようなことを言い出したり…というのは、就活あるあるかもしれません。
もちろん、自分を振り返ることは大切です。しかし、自己分析はあくまで「企業と戦うための武器を探す手段」に過ぎません。自己分析そのものが目的になってしまうと、2つの大きな問題が生じます。
- 視野が狭くなる:自分の過去の経験の延長線上でしか物事を考えられなくなり、興味の対象がBtoCの有名企業など、身近なものに偏りがちになります。世の中には、あなたが知らない優良企業がたくさんあるのに、それらに出会うチャンスを自ら潰してしまうのです。
- 戦える武器が限定される:「私の強みは行動力です!」と決めてしまうと、効率性や改善提案力を求める企業に対して、的外れなアピールをしてしまう可能性があります。
成功の鍵は「逆算思考」!本音と建前を使いこなそう
では、どうすればいいのでしょうか?答えは「逆算思考」です。まず「自己分析」から始めるのではなく、まず「企業を知る」ことから始めましょう。
ステップ1:本音の軸で、広く企業を見る
「年収が高い」「福利厚生がすごい」「潰しが利きそう」…どんな理由でも構いません。まずは自分の本音に従って、興味を持った企業をリストアップしてみましょう。就活は、様々なビジネスモデルを無料で学べる「大人版キッザニア」です。視野を広く持って、色々な業界・企業を覗いてみてください。
ステップ2:行きたい企業から逆算して「建前」を作る
行きたい企業が見つかったら、そこから初めて「どうすればこの会社に受かるか?」を考えます。その会社の求める人物像に合わせて、自分のどの経験を、どのように見せれば魅力的に映るかを考えるのです。これが内定を勝ち取るための「建前」であり、戦略的な自己分析です。
例えば、同じ野球部の経験でも、
- 量をこなす練習をアピールするのか(体力・継続力)
- 練習方法の改善をアピールするのか(課題解決能力)
- 裏方としてチームを支えた経験をアピールするのか(協調性・サポート力)
など、受ける企業によって見せ方を変えるべきなのです。この逆算思考こそが、内定への最短ルートです。
コピペOK?元人事が教える「絶対に落ちない」志望動機の作り方
「好き」だけでは響かない!重要なのは「貢献できる理由」
自己分析の方向性が定まったら、次はいよいよ志望動機です。ここでも多くの学生が「会社の好きなところ」ばかりを語ってしまいます。しかし、恋愛で考えてみてください。「あなたのことが大好きです!」と情熱的に言われるだけでは、心は動きませんよね。「あなたといると、こんなに楽しい時間を過ごせるよ」「あなたのために、こんなことができるよ」と伝えられて初めて、相手も「この人と一緒にいたいな」と思うはずです。
採用も全く同じです。企業が聞きたいのは、「好き」という気持ちに加えて、「入社後にどう活躍・貢献してくれるのか」という具体的な根拠です。
そこで、元人事のひろあきさんが提唱するのが、以下の2つの要素を盛り込んだ最強の志望動機フォーマットです。
【テンプレート公開】これを真似すればESは通過する!
困ったら、この構成で書いてみてください。エントリーシート(ES)で落ちることはまずなくなるでしょう。
【最強の志望動機フォーマット】
私が貴社を志望する理由は2つあります。
1つ目は、〇〇という理由で、貴社に入社したいからです。(=会社に入りたい理由)
2つ目は、私の△△という強みを活かし、貴社に貢献できると考えるからです。(=会社に貢献できる理由)
この2つの理由から、私は貴社でこそ活躍できると確信しており、入社を強く志望します。
これを、実際にオリエンタルランドに内定したESの例で見てみましょう。
(1)会社に入りたい理由(価値観のマッチ)
私が記者を志望する理由は2つあります。1つ目は自分の価値で人に感動を与えたいと思ったからです。これは私自身が楽器を通じて多くの人に感動を与えた経験があることです。…(中略)…私が長年積み重ねた価値で人を楽しませる経験は、貴社でより多くの人に、より大きな感動を生み出す原動力になると考えています。
(2)活躍できる根拠(能力のアピール)
2つ目は私の強み「課題を見つけプラスになるよう行動できること」を貴社の業務で生かし貢献できると考えたからです。貴社の業務は改善の繰り返しだと考えています。…(中略)…常に顧客のために改善を繰り返した結果だと思います。私自身も〇〇の経験で培った強みを生かし貢献できると思っています。
いかがでしょうか?「感動を与えたい」という自分の価値観(入りたい理由)と、その企業が求めるであろう「改善力」という自分の強み(貢献できる理由)が見事に結びついています。この「入りたい理由」と「貢献できる理由」の2点セットこそが、採用担当者の心を動かすのです。
応用編:競合他社がいる場合は?
銀行やメーカーなど、競合他社が多い業界を受ける場合は、理由を3つにするとさらに説得力が増します。「1. 業界を志望する理由」「2. 貴社で貢献できる理由」に加えて、「3. なぜ競合ではなく、貴社なのか」という点を加えることで、志望度の高さをより強くアピールできます。
ライバルに差をつける「業務理解」という最強の武器
「事業理解」と「業務理解」は全くの別物!
さて、志望動機で「貢献できる理由」を語るためには、その会社で「実際に社員がどんな仕事をしているのか」を知る必要があります。ここで重要になるのが、「事業理解」と「業務理解」の違いです。
- 事業理解:会社が何をやっているか。(例:森永製菓はお菓子や食品を作っている)
- 業務理解:社員が何をやっているか。(例:森永製菓の営業担当は、どんな仕事をしている?)
多くの学生は、ホームページや会社説明会で得られる「事業理解」で止まってしまっています。しかし、本当に重要なのは「業務理解」です。なぜなら、事業の主語は「会社」ですが、業務の主語は「社員」、つまり入社後のあなた自身だからです。
例えば、森永製菓の業務を「スーパーを回るルート営業」としか理解していない学生と、「実は、地域の農家さんや行政と協力して、ご当地ハイチュウの企画をゼロから立ち上げるような仕事もある」と理解している学生では、アピールできる「貢献の仕方」の解像度が全く違いますよね。
後者の学生は、「私の強みである調整力を活かして、多くの関係者を巻き込みながら新しい価値を創造したい」といった、より具体的で説得力のある自己PRができるのです。
では、どうやって「業務理解」を深めるのか?
「業務理解」を深める最善の方法は、やはり実際に働いている社員の方に話を聞くことです。OB・OG訪問がその代表例ですが、コロナ禍を経て難しくなっている側面もあります。
では、他に方法はないのでしょうか?
実は、誰にでも実践できる、とっておきの方法があります。それは、面接の最後に必ず設けられる「逆質問」の時間を最大限に活用することです。そして、その逆質問の質を飛躍的に高めるためのツールが、後半のテーマである「有価証券報告書」なのです。
この記事で解説した「採用側の3つの視点」「逆算思考の自己分析」「志望動機の型」をマスターするだけでも、あなたの就職・転職活動は劇的に変わるはずです。まずはこの基本をしっかりと押さえ、自信を持って次のステップに進んでいきましょう!
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