市販カレールーを本気で全部作ってみた結果。1位はまさかの「あのフレークカレー」でした

市販カレールーを本気で全部作ってみた結果。1位はまさかの「あのフレークカレー」でした 料理

市販のカレールーを「箱の通り」に作ってガチで比較するという企画でした。視聴者が気になっていた「結局どのルーが一番うまいのか。」という問いに、料理研究家目線でかなり真剣に答えている内容です。

見どころ

  • 検証ルールのガチ度:★★★★★
  • 銘柄ごとの味の違いの分かりやすさ:★★★★☆
  • どんでん返しの意外性:★★★★★

企画のルールと前提条件

「箱の通りに作る」ガチ検証スタイル

この企画の一番のポイントは、すべてのカレールーを箱に書いてあるレシピ通りに作るというルールです。料理研究家がありがちな「バターひとかけ」「隠し味の醤油」などは一切封印していました。

  • 分量は箱記載の半量で統一。
  • 具材の種類や分量も箱に従う。
  • ルーを入れるタイミング、煮込み時間も全て箱通り。

つまり今回は、「料理人の腕」ではなくルーそのもののポテンシャルを比較する企画になっています。普段はアレンジしまくる本人がそこまでルールを決めているあたり、本気度が伝わる構成でした。

エントリーしたカレールー一覧

登場した主なカレールーは次の通りです。

  • ハウス バーモントカレー。
  • ハウス ジャワカレー。
  • ハウス ザ・カリー。
  • S&B ゴールデンカレー。
  • S&B ディナーカレー。
  • グリコ ZEPPINカレー。
  • 視聴者からの要望で後半参戦した エバラ 横浜舶来亭カレー。

加えて、本人の「いつもの家カレー」であるジャワカレーアレンジ版も、比較用の基準として登場していました。

豆知識: 日本の家庭用カレー市場では、バーモントカレーやゴールデンカレーのような「固形ルー」と、横浜舶来亭のような「フレークタイプ」が共存しています。フレークは溶けやすく味の調整が細かくできる一方、固形ルーは扱いやすさと価格の安さが強みです。

各ルーの特徴と一次評価

ジャワカレー:料理研究家の「ホームグラウンド」

まず最初に試されたのは、本人が普段から使い込んでいるジャワカレーです。これまで「思考のカレー」もジャワカレーをベースにしてきたというくらい、信頼している銘柄でした。

しかし、箱通りに作った味は「普通にうまいけど、いつもの自分のカレーより深みが足りない。」という評価でした。普段はバターや砂糖を足し、玉ねぎももっと飴色になるまで炒めているため、素のジャワカレーはBプラス評価にとどまっています。

ここで分かるのは、「ジャワカレーはアレンジ前提で伸びるタイプのルー」という位置付けです。手を加えれば化けるが、箱通りだとポテンシャルの一部しか出ていないというコメントでした。

バーモントカレー:甘口だと思って舐めていた王者の逆襲

続いて試されたバーモントカレーは、本人いわく「昔から甘いカレーが苦手で避けていた」銘柄でした。しかし、箱通りに作って一口食べた瞬間のリアクションは、「あれ、うまい。」という予想外のものでした。

甘さはあるものの、コクの深さや全体のバランスが非常に高く、「家庭のカレーの王者」と呼ぶにふさわしい完成度だと評価されています。その結果、評価はAプラス。「箱通りに作ってここまで完成しているのはさすが。」と、半ば謝罪混じりのコメントが印象的でした。

ゴールデンカレー:カルダモンが効いた玄人好み

S&Bのゴールデンカレーは、カルダモンが強く香るスパイス感が特徴でした。爽やかな香りで「専門店っぽい雰囲気」はあるものの、家庭のカレーとしてはやや尖り過ぎているという評価です。

結論としては、「おいしいけれど家のカレーというよりカルダモンカレー。」という位置付けでB評価。スパイス好きには刺さるが、誰にでもおすすめできる万能ルーではないという印象でした。

ディナーカレー:カレーとハヤシの中間のような高級路線

同じくS&Bのディナーカレーは、じゃがいもも玉ねぎもレシピに含まれず、ルー自体にかなりの自信を感じさせる構成でした。香りはバターが強く、「カレーとハヤシの中間」のような味だとコメントされています。

しかし、「カレーを食べたい気分のときに求めている味かと言われると違う。」という理由から、価格を考慮するとC評価という厳しめの結果になりました。高級感はあるものの、方向性が少しズレているという印象です。

ザ・カリー:ルーだけでレストラン級に近づく本格派

ハウスの高級ラインザ・カリーは、V4ペースト付きで、玉ねぎやじゃがいもを入れなくても成立するタイプのルーです。香りも味も「ザ・カレー」という名にふさわしく、かなりの高評価でした。

V4ペーストによる深いコクと、カレー粉の香りのバランスが良く、「ルーだけでここまで行くのか。」と驚かれていました。その結果、評価はAプラス。本格的なレストランカレーに近い味を、自宅で手軽に再現したい人には非常に強い選択肢になります。

ZEPPINカレー:香り最強クラスだが、素のままだと余白多め

グリコのZEPPINカレーは、中にペーストが入っている少し変わり種のルーです。香りだけなら「トップランク」と評されるほど良く、「これは期待できる。」という空気で試食が始まりました。

ただし実際に食べてみると、「コクがもう一歩足りない。」「ここにオイスターソースや何かを足したら最強になる。」という感想に落ち着きました。単体ではBクラスですが、アレンジ前提なら大化けするポテンシャルがあるルーとして位置付けられています。

視聴者リクエストから生まれたどんでん返し

横浜舶来亭カレーの緊急参戦

動画の途中で、X(旧Twitter)に制作過程を上げたところ、「横浜舶来亭はやらないのか。」というコメントが一番多く寄せられました。そこで急きょ買ってきて、他のルーと同じ条件でエバラ 横浜舶来亭カレーを作る流れになります。

具材はじゃがいも無し、フレークルーを溶かして煮込むシンプルな作り方でしたが、一口食べた瞬間に空気が変わりました。「やばい。」「なんでこんな味になるのか。」と、本人が素直に驚いているのが印象的です。

結果として、この横浜舶来亭カレーだけS評価を獲得し、企画全体の1位に選ばれました。値段は他の高級ルーと同程度ですが、味の完成度と癖の少なさ、レストランカレー感のバランスが非常に高いと絶賛されています。

関連情報: 横浜舶来亭カレーのようなフレークルーは、少量ずつ溶かして味の濃さを調整しやすく、炒め物やドリアのソースにも転用しやすいのが特徴です。固形ルーよりも「微調整」がしやすいため、プロや飲食店でも採用されることがあります。

出演者全員の舌が最終的に一致した理由

最後に全員で食べ比べをした結果、「ルー単体の味」で判断すると、ほぼ全員が横浜舶来亭カレーに票を入れていました。理由は次の3点に集約されます。

  • カレーらしい香りと味がストレートに来る。
  • 余計なクセがなく、万人受けしやすい。
  • 値段と味のバランスを考えると、最も納得感がある。

一方で、「毎日食べる家カレーならバーモントやジャワも捨てがたい。」という意見もあり、日常用はバーモントやジャワ、特別感を出したい日は横浜舶来亭という棲み分けが見えてきます。

今日から実践できるカレールー選びのポイント

1 家の「定番枠」と「ご褒美枠」を分ける

動画を踏まえると、カレールーは次のようにポジション分けすると選びやすくなります。

  • 毎日でも食べられる定番枠:バーモントカレー、ジャワカレー。
  • レストラン風のご褒美枠:ザ・カリー、横浜舶来亭カレー。
  • スパイス好きの変化球枠:ゴールデンカレー、ZEPPINカレー。

これを意識しておくと、「安かったから」「なんとなく」で選んで失敗するリスクが減ります。冷蔵庫に定番とご褒美の2種類を常備しておくのも一つの戦略です。

2 アレンジ前提か、そのまま完結かを決める

ジャワカレーやZEPPINカレーは、アレンジしてこそ真価を発揮するタイプです。バターや炒め玉ねぎ、オイスターソースなどを足して「自分の味」に寄せていきたい人には向いています。

逆に、横浜舶来亭やバーモントは、箱通りに作っても高い完成度が出るタイプです。「時短したい。」「味付けに自信がない。」という場合は、まずここから選ぶと外れにくいです。

3 家族構成と辛さの許容度を考える

辛さについては、バーモントのように甘口寄りでコクを重視したものと、ゴールデンカレーのようにスパイス感強めで辛さも感じるものでは、好みが大きく分かれます。家族に子どもがいる場合や辛さが苦手な人が多い家庭では、バーモントや横浜舶来亭の中辛あたりから試すと安全です。

次に買うべきカレールーはどれか。

今回の企画では、料理研究家自身の固定観念がひっくり返される場面が何度もありました。甘すぎて避けていたバーモントの評価が跳ね上がり、本命視していなかった横浜舶来亭がS評価で1位になるという展開は、見ていてもかなり痛快です。

この記事を読んでいるあなたが次にやるべきことはシンプルです。まずは横浜舶来亭カレーを一度試すこと。そして、今家にある定番ルー(バーモントやジャワなど)を「定番枠」として残しつつ、気分に合わせて使い分けてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました