【元銀行員が暴露】30歳で年収1000万は本当?銀行員のリアルな給与明細と過酷な出世競争

【元銀行員が暴露】30歳で年収1000万は本当?銀行員のリアルな給与明細と過酷な出世競争 解説

「銀行員って、お給料が高いんでしょう?」そんなイメージをお持ちではありませんか。しかし、その華やかなイメージの裏側には、想像を絶する競争と独特の文化、そしてまるでプロスポーツ選手のようなシビアなキャリアパスが存在します。この記事では、元銀行員が語るリアルな年収事情と、そのキャリアの光と影に迫ります。これを読めば、銀行員という職業を見る目がガラリと変わるかもしれません!

この記事で得られること:

  • 銀行員のリアルな年収推移が具体的にわかる。
  • 30歳で年収1000万円に到達するまでの道のりがわかる。
  • 銀行員キャリアの厳しさと、それでも目指す価値がある理由がわかる。

見どころ5段階評価

  • リアルな年収推移の生々しさ:★★★★★
  • 過酷な出世競争の現実度:★★★★☆
  • キャリアの光と影の衝撃度:★★★★★

はじめに:銀行員は体温計を捨てろ!?

本題に入る前に、まずは銀行員の世界の常識を少しだけご紹介します。「熱が出たらどうしますか?」普通は体温を測って、高熱なら休みますよね。しかし、銀行員の世界では「熱は測らない」のが鉄則でした。

38度くらいなら気合で乗り切り、39度を超えても「今日は定時で帰ろうかな」と考える程度。もし本当に休むなら、髪をジェルで固め、スーツとネクタイでビシッと決めて出社し、上司に「すいません、今たぶん39度くらいあります。病院に行ってもよろしいでしょうか?」と許可を得るのが礼儀。これが、我々の世界でした。

そして、「月曜だけは絶対に休むな」。これは上司から固く言われていた言葉です。土日に体調管理できない人間は信頼を失う、というわけです。金曜に熱を出し、土日で治して月曜に戦線復帰する。これが優秀な銀行員の姿でした。こんなエピソードからも、銀行員という仕事の厳しさが少し垣間見えるのではないでしょうか。

さて、前置きが長くなりましたが、本日は就活生からもよく質問される「銀行員の年収」という、皆さんが大好きな“お金”の話を具体的にしていきたいと思います!

銀行員の年収、爆上がりの階段を徹底解説!

銀行員の給料は、ある独特のルールに沿って上がっていきます。それはズバリ、「2年刻みのジャンプアップ」です。一体どのように年収が推移していくのか、見ていきましょう。

新人時代(1~2年目):下積みと最初のジャンプアップ

まず1年目。私の頃の初任給は手取りではなく額面で20万5000円でした。ここから税金などが引かれますが、銀行員の強みは福利厚生です。寮費はなんと月7000円!食費も安く抑えられたため、生活には困りませんでした。

そして2年目の春に最初の昇給があり、まず1万円アップ。本当の勝負は2年目の夏です。ここで一気に6万円がドンッ!と上がり、基本給は27万5000円になります。これに残業代が加わることで、給料が大きく増えた感覚になります。

豆知識:恐怖のサービス残業

当時、残業は月40時間前後で申請していました。しかし、これはあくまで表向きの数字。朝7時50分に出社し、退社が20時半を過ぎるのは日常茶飯事。お昼休憩は15分程度でしたから、実態の残業時間は70時間、いや、80時間を超えていたかもしれません。私たちのような“社畜”の頑張りがあって、今のホワイトな環境がある…と信じたいですね!

中堅への道(3~5年目):2年刻みで昇給する給与テーブル

給与アップの法則は続きます。

  • 3年目:1万円アップ(基本給 28万5000円)
  • 4年目:6万円アップ(基本給 34万5000円)
  • 5年目:1万円アップ(基本給 35万5000円)

このように、奇数年次は1万円、偶数年次に6万円というペースで上がっていくのが特徴です。私が退職した5年目の時点では、残業代を含めると年収は大体700万円弱くらいでした。20代でこの水準に達するのは、確かに魅力的ですよね。

生存競争のゴングが鳴る!最初の関門「6年目の壁」

順調に給料が上がっていくのも5年目まで。銀行員人生で最初の大きな分かれ道が「6年目」にやってきます。ここから、同期との間に残酷なまでの差が生まれるのです。

謎の役職「部長代理補佐」とは?

6年目になると、最初の役職「部長代理補佐」への昇進レースが始まります。この役職名、よく見ると面白いですよね。「部長の代理」を「補佐」する人…一体何者なのでしょうか?お客様に「これはどういう役職?」と聞かれても、「ソルジャーです!」としか答えようがありませんでした。

この昇進が、最初のふるい分けです。私のいた当時は、同期のうち昇進できるのは約4割。残りの6割はステイとなり、給料も横ばいです。ここで初めて、銀行員は競争社会の厳しさを肌で感じることになります。

ボーナス格差のリアル:評価と謎の「ありがとう」文化

役職がつくまでの若手時代、実は銀行員のボーナスは世間のイメージほど多くありません。私が5年目の冬にもらったボーナスは、額面で50万円前後でした。

ボーナスの額は個人の評価で決まります。評価はS、A、A+、A-といったランクで付けられ、私はありがたいことにA+を連続でいただくことができました。上司曰く、A+評価をもらえるのは全体の15%程度だったそうです。

そして、銀行には独特の文化がありました。ボーナス支給日には、まず部長室に呼ばれて明細を受け取ります。その後、自分の部署の上司一人ひとりの元へ行き、「ボーナスをいただきました。ありがとうございました!」とお礼を言って回るのです。給料を払っているのは会社なのですが、なぜか上司全員に感謝を伝えるのが習わしでした。

年収1000万円の頂きへ!30代のキャリアパス

6年目の生存競争を勝ち抜くと、年収は一気に加速します。いよいよ「年収1000万円」という大台が見えてくるのです。

7年目以降:役職手当で年収が飛躍する

「部長代理補佐」になると、月収ベースで10万円近くアップし、40万円半ばになります。さらに大きいのがボーナスです。それまで数十万円だったボーナスが、一気に100万円の大台に乗ります。一方で、昇進できなかった同期は年収もボーナスもほぼ横ばい。ここで大きな差が生まれます。

順調にいけば、7年目から8年目、年齢でいうと30歳前後で年収950万~1000万円に手が届き始めます。メガバンクの中でも、当時は三井住友銀行が最も早く1000万円に到達すると言われていました。

しかし、これはあくまで昇進レースを勝ち抜いた場合の話。出世コースから外れてしまうと、年収600~700万円で頭打ちになる人も少なくありません。

40代の分かれ道:出向という名の片道切符

さらにキャリアを重ね、10年目あたりで「部長代理」へと昇進すると、年収は1200~1300万円。次長クラスになると1400万円前後に達します。しかし、多くの銀行員にとって、ここがキャリアの頂点となります。

ここから先は、関連会社やお客さんの会社への「出向」という選択肢が現実味を帯びてきます。出向後2年間は年収が保証されることが多いですが、その後は出向先の給与体系に移行し、年収が半分、場合によっては3分の1になるという厳しい現実も待っています。

豆知識:海外勤務は給料2倍!?

国内だけでなく、海外勤務もキャリアの選択肢です。海外では「危険度手当」がつき、赴任する国の情勢によって給料が大きく変わります。当時、最も手当の比率が高かったのはブラジルで、給料はなんと約2倍に。もし同期がブラジルに行っていたら、年収2000万円を超えていたかもしれません。

なぜ銀行員の給料は急ピッチで上がるのか?

ここまで読んで、「なぜ銀行はこんなに早く給料を上げるのだろう?」と疑問に思った方もいるかもしれません。その理由は、実は非常にシンプルです。

「辞めにくくするため」です。

20代後半から30代は、結婚や住宅購入などライフイベントが集中する時期です。そのタイミングで年収が700万円、1000万円と上がっていくと、給料が下がる可能性のある転職には踏み切れなくなります。「この給料を捨ててまで辞めるのは…」と、高年収が一種の“黄金の鎖”となって、銀行員を繋ぎ止めるのです。これは非常に巧みな人事戦略だと言えるでしょう。

まとめ:銀行員はプロスポーツ選手だった!

銀行員のキャリアは、若くして高収入を得られる一方で、40代、50代でキャリアの終わりを迎え、給料が激減する可能性もある、非常にシビアな世界です。まるで、活躍できる期間が限られているプロスポーツ選手のようではありませんか?

しかし、福利厚生の手厚さや、30歳で年収1000万円を目指せるという魅力は、今も昔も変わりません。厳しい競争を勝ち抜く覚悟さえあれば、非常にやりがいのある仕事であることも事実です。

この記事が、皆さんのキャリアを考える上での一つの参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました