YOASOBI、5年間の軌跡と未来への誓い

YOASOBI、5年間の軌跡と未来への誓い インタビュー

デビューからわずか5年で、J-POPシーンの最前線を走り続ける音楽ユニットYOASOBI。その根幹を支えるAyaseとikuraの二人が、5周年記念となる東京ドーム公演「YOASOBI DOME LIVE 2024 『SWEET SWEET SWEET』」を終え、その舞台裏と未来への展望を語ってくれました。二人の間に育まれた唯一無二の関係性と、常に進化し続けるYOASOBIの「今」に迫ります。

見どころ5段階評価

  • 二人の揺るぎない絆:★★★★★
  • 進化し続けるライブパフォーマンス:★★★★★
  • 未来へ向かう挑戦的な姿勢:★★★★★

YOASOBIの5年間:成長の軌跡と「超現実」の舞台裏

YOASOBIがデビューから5年という節目を迎えました。彼らの音楽は、瞬く間に多くの人々の心を掴み、国内外で絶大な支持を得ています。特に印象的だったのは、5周年を記念して開催された東京ドーム公演「YOASOBI DOME LIVE 2024 『SWEET SWEET SWEET』」。この大規模なステージを成功させた二人の裏側には、どのような物語があったのでしょうか。

懐かしき日のリハーサル風景:初期YOASOBIの初々しさ

2021年のスタジオリハーサル映像が公開され、Ayaseさんとikuraさんの初期の姿が映し出されました。デビューから1年経つか経たないかの時期で、紅白歌合戦出場前。まだ衣装もなく、私服でリハーサルに臨む二人の姿は、今と比べると「ういういしい」という言葉がぴったりです。

豆知識: YOASOBIが紅白歌合戦に初出場したのは、2020年12月31日の「第71回NHK紅白歌合戦」。デビュー曲「夜に駆ける」が社会現象となる中で、大きな注目を集めました。

当時、Ayaseさんは体重の増減に悩んでいたこと、ikuraさんはダンスや筋トレを始めたばかりだったことなどが語られ、彼らもまた、私たちと同じように様々な試行錯誤を繰り返しながら成長してきたことが分かります。しかし、その根底には、常に音楽と真摯に向き合う姿勢があったことは間違いありません。

東京ドーム公演をやり切るポテンシャル:ライブ経験が培った「自力」

東京ドーム公演を振り返り、Ayaseさんは「当時の僕らだったら絶対足りてなかった」と語ります。デビュー当初はライブ活動も初めてで、右も左も分からない状態だったそうです。しかし、この5年間で数多くのライブ経験を積み重ねる中で、「振る舞いやいろんな自力がついていった」と、その成長を実感しています。特に印象的だったのは、MCでの表現力。会場全体を巻き込むAyaseさんのMCは、経験値がなければ成し得ないものでしょう。ikuraさんもまた、ステージ上での振る舞いや歌唱力に磨きをかけ、二人で高みを目指してきたことが伺えます。

なるほどポイント: ライブパフォーマンスにおける「自力」とは、単に歌や演奏の技術だけでなく、観客とのコミュニケーション能力、トラブル対応力、そして何よりもステージ全体を統率する総合的な力のこと。YOASOBIの二人は、この「自力」をライブ経験を通じて着実に培ってきたと言えます。

海外ライブでの経験:言葉の壁を乗り越えるアドリブ力

海外ツアーでの経験は、二人に大きな成長をもたらしました。言葉の通じない環境でパフォーマンスすることの難しさを痛感した一方で、機材トラブルの際に4分間ものMCを英語で繋いだエピソードは、彼らのアドリブ力と対応力の高さを物語っています。「持てる全ての英語を使って、勝手に質問コーナーを始めて繋いだ」というAyaseさんの言葉からは、どんな状況でも諦めずにパフォーマンスをやり遂げようとするプロ意識が感じられます。この経験が、彼らのライブをさらに強固なものにしたことは間違いありません。

緊張との向き合い方:ステージでの解放

かつては「くっそ緊張する」と語っていた二人ですが、経験を積むごとに緊張のメーターが「バグっちゃった」とAyaseさんは表現します。しかし、今回のドーム公演では「本当に吐いちゃうぐらい緊張しました」と、そのプレッシャーの大きさを明かしました。Ayaseさんは喫煙所で心を落ち着かせ、ikuraさんはステージに上がると「緊張どころじゃないというか、もう楽しさとやっぱりドーム景色もすごいですし、もうやるべくことをやるってだけになる」と語り、ステージ上での解放感を明かしました。この緊張と解放の繰り返しが、彼らのパフォーマンスの質を高めているのかもしれません。

ikuraが語る「いくらになる覚悟」:自己受容と進化

東京ドーム公演のMCで、ikuraさんが語った「いくらの輪郭が見えてきた」「いくらになる覚悟ができた」という言葉は、多くのファンの心に響きました。彼女は、YOASOBIとしての活動を通じて、自分の中に生まれた「ikura」という存在を5年間かけてゆっくりと受け入れ、自分自身と向き合ってきたと語ります。これは、二足のわらじを履くアーティストならではの葛藤であり、それを乗り越えて自己を確立していくプロセスは、多くの人にとって共感を呼ぶでしょう。

豆知識: YOASOBIのikuraこと幾田りらさんは、YOASOBIとしての活動と並行して、シンガーソングライター「幾田りら」としても活動しています。Ayaseさんもまた、ボカロPとしての活動に加え、様々なアーティストへの楽曲提供を行っています。このように異なる顔を持つことで、それぞれの活動で得た経験がYOASOBIとしての表現の幅を広げています。

新曲「Me」に込めた思い:新たな出発点

ドーム公演を終え、新たな出発点となるタイミングでリリースされた新曲「Me」。このタイトルには、原作小説のテーマである「新しい自分に生まれ変わる」という意味合いに加え、YOASOBI自身が「自分たちで操縦するYOASOBI」として、新たなフェーズへと踏み出すという強い意志が込められています。彼らは常に進化を求め、現状に満足することなく、新しい挑戦を続けていくことを表明しています。

Ayaseとikuraの「相棒」関係:言葉では語り尽くせない絆

YOASOBIを語る上で欠かせないのが、Ayaseとikuraの二人の関係性です。男女のコンビとして活動する彼らの絆は、どのようなものなのでしょうか。

喧嘩なしの5年間:役割分担とリスペクト

デビュー当初から「喧嘩はしたことがない」と語る二人。5年経った今もその関係性は変わらず、Ayaseはコンポーザーとして、ikuraはボーカルとして、それぞれの役割を明確に分担し、互いをリスペクトし合っています。この明確な役割分担が、お互いの領域を侵すことなく、良好な関係を保つ秘訣なのかもしれません。

「ビジネスパートナー」であり「家族」のような存在

二人の関係性を言葉で表現することは難しいと、彼らは口を揃えます。「ビジネスパートナー」であることは間違いないが、それだけでは言い表せない。かといって「家族」でもない。しかし、その距離感があるからこそ、YOASOBIというユニットが保たれていると分析しています。そして、その関係性は時と場合によって変化するとも語ります。一緒にポーカーをして遊ぶ時は「友達」のような空気感で、仕事の場では「ビジネスパートナー」としてのバランスを保ち、ライブではお互いを信頼し合う「相棒」となる。この柔軟な関係性が、二人の間に唯一無二の絆を育んでいるのでしょう。

なるほどポイント: 長く活動を続けるユニットやコンビにとって、人間関係は非常に重要です。YOASOBIのように、役割を明確にしながらも、プライベートでは良好な関係を築き、状況に応じて関係性を変化させる柔軟性は、グループを継続させる上で大きな強みとなります。

「育ちが良すぎる」ikuraとAyaseの第一印象

Ayaseさんは、ikuraさんの第一印象について「俺と一緒にやるには育ちが良すぎるんじゃないか」と感じたそうです。当時18歳のikuraさんに対し、6歳年上のAyaseさんは、どう接していいか分からず、「距離感保ってた」と語ります。マネージャーからは「お前がちゃんと会話リードしろよ」と怒られるほど、最初は会話が続かなかったそうです。中華料理店でikuraさんが頑張って話しかけてくれるのに、Ayaseさんは「タバコ吸ってきます」と言って席を立つほど戸惑っていたというエピソードは、二人の関係性の始まりを考えると、なんだかクスッと笑ってしまいます。

お互いに言いたいこと:ライブ中の微笑ましいやり取り

「お互いに直してほしいこと」という質問に対し、二人はフリップを使って回答しました。

  • Ayaseからikuraへ: 「ライブ中、ayaseさんのアドリブ力にマジで助けられてます」
  • ikuraからAyaseへ: 「ライブのMC中にずっと見てくるのやめてほしい」

Ayaseさんのアドリブ力は、ikuraさんにとって歌声の調子を考慮したMCでの配慮や、突然のトラブルにも対応できる頼りになる存在。一方で、AyaseさんがMC中にikuraさんを「ずっと見ている」ことについては、「すっごい恥ずかしい」という本音が飛び出しました。しかし、Ayaseさんにとっては、真剣なMCの際に思わずikuraさんを見てしまうのは「お客さんの1人みたいな気持ちになっちゃう」からだと言います。この微笑ましいやり取りからも、二人の間に深い信頼と親愛の情があることが伝わってきます。

YOASOBIの未来:日本から世界へ、そして「健康」に音楽を届け続ける

5年間の活動を経て、YOASOBIはこれからどこへ向かうのでしょうか。

2025年ホールツアーと「渦」の強化:日本のファンを大切に

Ayaseさんは、2025年に大規模なホールツアーを開催することを明かし、日本のファンとの「コミュニティ」や「渦」を強固にしたいという思いを語りました。海外での活躍が目覚ましいYOASOBIですが、彼らにとって日本のファンの存在は、海外で戦っていく上での大きな支えとなっていることを強調しました。この言葉は、日本のファンにとって非常に嬉しいメッセージとなったことでしょう。

心と体の健康:音楽を楽しみ続けるために

ikuraさんは、これからも「いい音楽といい新しい音楽」を届け続けるために、「心も体も本当にずっと健康的に音楽をずっと心から楽しめる環境をあの保ち続けることがやっぱ一番大事」だと語ります。最近始めたトレーニングもその一環であり、長期的な視点で音楽活動に取り組む姿勢が伺えます。アーティストとして長く活躍し続けるためには、心身の健康が何よりも重要であることを示唆しています。

「夜に駆ける」に込められた意味:原点回帰と進化

東京ドーム公演の最後に「夜に駆ける」を選んだ理由について、Ayaseさんは「一番最初の曲だから」と語ります。今回の公演テーマが「超現実」であったように、5年間の軌跡を振り返りながら、最も新しい状態で一番古い曲を披露することに「意味がある」と感じたそうです。これは、YOASOBIの原点であり、多くの人に知られる代表曲を、今の彼らが表現することで、その楽曲に新たな命を吹き込むという彼らの思いが込められていました。過去を大切にしつつ、常に進化し続けるYOASOBIの姿勢が凝縮された一曲と言えるでしょう。

YOASOBIの関係性

YOASOBIのAyaseとikuraの二人は、5年間という濃密な時間を共に過ごし、アーティストとして、そして人間として大きく成長を遂げました。彼らの関係性は、ビジネスパートナーでありながらも、互いをリスペクトし、時には家族のように支え合う唯一無二のものです。常に新しい挑戦を恐れず、ファンへの感謝を忘れずに前進する彼らの姿勢は、多くの人々に勇気を与えてくれるはずです。これからもYOASOBIがどんな「超現実」を見せてくれるのか、その活動から目が離せません。

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