仕事でスペインへ3泊5日という超弾丸スケジュールで訪れた安住紳一郎さんが、帰りのドイツ・ミュンヘン空港で国際線乗り継ぎに失敗した壮絶な体験を語ります。飛行機の遅延、空港のトラブル、情報が遮断された異国の地での孤独、そしてまさかの真冬のような寒さ…。21世紀とは思えないようなトラブル続きの旅の顛末と、そこから得た教訓について解説します。
旅にトラブルはつきもの、と言いますが、安住紳一郎さんの身に起きた出来事は、まさに予測不能なサバイバルでした。この記事を読めば、海外旅行、特に国際線乗り継ぎの際にどんな落とし穴があるのかを知り、いざという時に役立つ心構えができるはずです。ぜひ最後まで読んで、安住紳一郎さんの波乱万丈な旅を追体験してください。
ヨーロッパ弾丸ツアーの洗礼?3泊5日スペイン撮影の始まり
海外、特にヨーロッパでの撮影と聞けば、誰もが心躍るものではないでしょうか。安住紳一郎さんも例外ではなく、多忙な日々の中、スペインへの出張が決まった際は大変喜んだそうです。しかし、その喜びも束の間、提示されたスケジュールは驚愕の3泊5日。
過去にもオランダへ2泊4日という、旅慣れた人でも眉をひそめるような弾丸スケジュールを経験したことがある安住紳一郎さんですが、今回もまた旅行会社から渡された旅程表を何度も見返してしまうほどタイトな日程でした。「え、私いつ寝るの?」と思わずにはいられません。
これほど短い滞在期間だと、入国審査官に「この短期間で旅行はおかしい。運び屋ではないか?」と怪しまれることもあるのだとか。正直に「3 days!」と答えても、信じてもらえないかもしれない…そんな不安もよぎります。
スペインの首都マドリードへの直行便は成田から週に3便のみで、所要時間は約14時間。乗り継ぎ便を利用する場合は、イギリスやオランダ、フランスなどを経由することになり、片道17時間から18時間もかかります。今回の3泊5日というスケジュールがいかに過酷か、移動時間を考えると納得せざるを得ません。文字通り、滞在時間よりも移動時間の方が長い旅だったのです。
国際線乗り継ぎ、それは不安との戦い
さて、国際線の乗り継ぎ。皆さんは得意ですか?安住紳一郎さんにとって、それは「不安の塊」だと言います。特に、日本からの10時間超のフライトの後、巨大な空港で乗り継ぎをするのは、経験者ならきっと共感できる不安があるはずです。
広大な空港内での移動は、まるで迷路。自分が今どこにいるのか分からなくなり、飛行機に乗り遅れるのではないかという焦りが募ります。「高尾山の山頂まで行けるんじゃないか」と思うほどの距離を歩かされることもあります。
さらに、言葉の壁も大きな不安要素です。日本語はまず通じませんし、たとえ英語で話しかけても、相手の強い訛りによって聞き取れないことも。空港職員に何か言われても、理解できずに立ち尽くすしかない…想像しただけでもゾッとします。
悪夢の始まり:ミュンヘン空港での乗り継ぎ失敗
スペインでの撮影を終え、帰路についた安住紳一郎さん。案の定というべきか、ドイツのミュンヘン空港での乗り継ぎに失敗してしまいました。これはもはや、弾丸スケジュールに課された試練だったのかもしれません。
スペインのビルバオ空港からミュンヘン行きのルフトハンザ航空機に乗ったものの、出発がまさかの3時間遅延。機長がコックピットから出てきてドイツ語で懸命に説明してくれるのですが、全く理解できません。同行していたスタッフの原田さんと顔を見合わせ、「なんだこれ!?」と思うばかり。言葉が分からないというのは、これほどまでに心細いものかと痛感します。
3時間遅れでミュンヘン空港に到着したものの、今度は空港のトラブルで飛行機から降りられない事態に。ボーディングブリッジがつかず、機内に閉じ込められる時間が続きます。結局、駐機場の端の方に移動し、バスでターミナルへ。ミュンヘンに到着したのは、すでに夜中の12時半を過ぎていました。
他の乗客もパニック状態。安住紳一郎さんの後ろに座っていたスペイン人の中学生らしき女の子たちは、泣き始めてしまったそうです。「メキシコでのサマースクールに行かないと友達に会えないのに!」とでも言っていたのでしょうか(あくまで想像ですが)。言葉は分からなくても、彼女たちの悲痛な叫びは胸に迫るものがあったと言います。
情報遮断!Wi-Fi難民になる恐怖
予定外の目的地に夜中到着。こんな時、頼りになるのはスマートフォン…のはずが、Wi-Fiがなければただの板と化してしまいます。最近はインターネット電話を利用する人も多いですが、Wi-Fiがないと身動きが取れません。
空港のフリーWi-Fiに繋げば良いのでは?と思うかもしれませんが、これにも落とし穴が。ドイツの空港のフリーWi-Fiに繋ごうとしたところ、表示されるのはドイツ語らしき文字。さらに、複雑な登録手続きを要求されます。「クルチャンタクー!?」と叫びたくなるような見慣れない単語が並び、心が弱っている状態では、とても登録する気になれません。
「フリーWi-Fiへようこそ!快適なWi-Fi生活をどうぞ。メールアドレスをご登録ください。」と日本語で書いてあったとしても、きっと面倒に感じるでしょう。ましてや、意味不明な外国語で要求されるのですから、お手上げです。登録しようとしても、「パスワードや入力内容が間違っています」と表示され、何が間違っているのかも分からない。ヘルプボタンを押しても、助けてくれる気配はありません。本当に途方に暮れてしまいます。
異国の夜、情報弱者のサバイバル
Wi-Fiもなく、言葉も通じない異国の空港で、夜中1時。安住紳一郎さんと原田さんは、途方に暮れていました。ルフトハンザ航空のカウンターへ向かうも、時間も時間なので人は少なく、対応している職員も疲れている様子。乗り継ぎに失敗した乗客は400人ほどいたそうで、現場は混乱していました。
言葉の分からない国の人たちがギャーギャー騒ぐ声を聞きながら、なんとか自分の順番を待ちます。そして、おそらくモントリオール条約に基づき、今日の宿泊先とタクシークーポンが支給されることが告げられたようです(これもおそらく、ですが)。
宿泊先が確保できたのは朗報でしたが、ここからがまた未知の世界でした。Wi-Fiも繋がらず、ドイツ語もほとんど分からない安住紳一郎さんたちは、ドイツの旅行ガイドブックも持っていません。知っているドイツ語は「ダンケシェン(ありがとう)」くらい。そんな状態で、夜中に知らない土地で、見知らぬドイツ人のタクシードライバーに乗せられるのは、想像以上に怖い体験でした。
知らない土地、知らない人、深夜のタクシー
ニコリともしないドライバーに、夜中の高速道路を猛スピードで走らされます。後部座席からスピードメーターを見ると、なんと時速140キロから150キロ!ドイツは速度制限がない区間もあるそうですが、初めて訪れた土地で、真っ暗な中、このスピードで走られるのは恐怖以外の何物でもありません。闇の中を猛スピードで進むタクシーに揺られながら、「闇医者にでも連れて行かれるのか…?」と不安が募ります。
1時間ほど走ったでしょうか、真っ暗な中に突如現れたのは、巨大で無機質な建物が延々と並ぶ場所。まるでどこかの工場地帯か、はたまた刑務所か…。売店も人の気配もなく、「三菱重工相模原工場みたい」と安住紳一郎さんは感じたそうです。不安に思っていると、後から乗り継ぎに失敗した人々が続々とタクシーで送り込まれてきました。
予想外の寒さ!ミュンヘンの気候に愕然
さらに追い打ちをかけたのは、ミュンヘンの気候です。スペインや東京は記録的な猛暑で、安住紳一郎さんも薄着の格好でした。しかし、なぜかミュンヘンはまさかの13度で小雨!全く準備しておらず、寒さに震えることになります。かろうじてウエストポーチ一つで寒さをしのいだそうですが、心底寒かったと言います。「ヨーロッパって猛暑じゃなかったの!?」と思わずにはいられません。
ようやく案内されたホテルも、巨大で無機質。案内された部屋はシングルルームで、廊下は延々と続いています。部屋のドアを開けようとすると、ドイツ製品らしい重厚な作りで、なかなか開きません。まるで実家にある古い金庫のドアを開けるような感覚だったとか。ドアが開いたと思ったら、バァーン!と大きな音を立てて勢いよく開いて、また驚きます。
そして、ドイツ人のホテルマンとのやり取りもスリリングでした。日本人だと分かると、「部屋番号は?ワンナインワンエイト!?」とドイツ語で大きな声で尋ねられます。恐怖で固まっている安住紳一郎さんに、さらに大きな声で繰り返されます。「ルームナンバー!ワンナインワンエイト!!」夜中で疲れているとはいえ、その威圧感に「めちゃめちゃ怖かった!」と安住紳一郎さんは語ります。
心細さとサバイバル:手持ちのユーロはわずか10ユーロ
乗り継ぎに失敗すると、手荷物を持ったまま空港の外に出されます。安住紳一郎さんと原田さんは、スペインでユーロをほとんど使い切ってしまっており、手持ちの現金がほとんどありませんでした。スペインのタックスフリーで買い物をした際、端数のユーロでクッキーなどを買ってしまったことを後悔します。
手持ちのユーロを確認したところ、安住紳一郎さんは60セント、原田さんは5ユーロ。合計してもわずか10ユーロ程度です。見知らぬ土地で、夜中から翌日のフライトまで18時間ほど過ごさなければならないのに、食料を買うお金すらほとんどありません。朝食はホテルで提供されましたが、それ以外は厳しい状況でした。
情報もお金もない状況で、まさにサバイバル。スマホもWi-Fiが繋がらないと役に立ちません。途方に暮れる中で、安住紳一郎さんはあることを思いつきます。それは、ジョン万次郎のように、ドイツ語を聞き取って、状況を打開しようとすることです。「アインス!(1)」と言われたら、「ヤー!(はい!)」と元気よく返事をする、といった具合です。そうすると、相手の対応が少し柔らかくなることに気づいたそうです。切羽詰まった状況で覚えたドイツ語は、きっと一生忘れないでしょうね。
明かされた真実:巨大な「メッセ」の街
一夜明けて、ホテル周辺を散策した安住紳一郎さんと原田さんは、あることに気づきます。前日、真っ暗な中で「まるで幕張メッセのようだ」と感じたその場所には、「Messe」と書かれた看板があちこちにあったのです。
豆知識:ドイツ語の「Messe(メッセ)」
ドイツ語で「Messe(メッセ)」は「見本市」や「展示会」を意味します。実は、日本の「幕張メッセ」の「メッセ」も、このドイツ語からきていると言われています。安住紳一郎さんが宿泊した場所は、巨大な見本市会場とその関係者向けのホテルが集まるエリアだったのです。
つまり、安住紳一郎さんたちが宿泊したのは、世界中から見本市のために集まるビジネスマンや関係者が利用する巨大ホテルだったのです。この日はたまたまイベントがなく空室が多かったため、乗り継ぎに失敗した乗客がまとめて送り込まれた、というのが真相のようでした。廊下の両側に延々と部屋が並んでいたのも納得です。
ハプニング続きの旅
今回の安住紳一郎さんのスペイン・ドイツ旅行は、まさに21世紀とは思えないようなハプニング続きの旅でした。しかし、飛行機の遅延、乗り継ぎ失敗、言葉の壁、情報遮断、そして予想外の寒さといった困難を通して、安住紳一郎さんは多くのことを学んだと言います。
情報を持つことの重要性、いざという時に諦めずに状況を打開しようとする力、そして予期せぬ状況さえも楽しもうとする前向きな姿勢。旅のトラブルは大変ですが、それを乗り越えた経験は、何物にも代えがたい財産になります。もしあなたが海外旅行で思わぬトラブルに遭遇しても、安住紳一郎さんのように、その状況を乗り越えて、ちょっと笑える思い出にしてみてください。
この動画を見るべきかどうか:
国際線乗り継ぎに不安がある人:★★★★★
海外旅行でのトラブル体験談に興味がある人:★★★★☆
ちょっと変わった旅のエピソードや雑学が好きな人:★★★★☆
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