クラスタリングとは、教師なし学習の代表的な手法で、正解を与えずにデータを自動でグループ分けする方法です。中でも有名な「k-means(k平均法)」は、ビジネスでも頻繁に使われる基本技術。今回は、難しい数式は一切使わず、「どうやってグループを分けていくのか?」を視覚的かつ直感的に理解できるように解説していきます。ワインの例や丸印の動きが、あなたの頭の中でしっかりつながってくるはずです!
そもそもクラスタリングとは?
教師なし学習とクラスタリングの関係
クラスタリングは教師なし学習に分類される手法で、データに正解(ラベル)を与えずに、似た特徴を持つグループに分ける方法です。たとえば、迷惑メールの分類は教師あり学習ですが、クラスタリングは「何が迷惑かは言わないけど、とりあえずグループに分けてみて!」というスタンスです。
豆知識: 教師なし学習は、未知のパターンや人間が気づきにくい法則を発見するのに向いています。
k-meansクラスタリングの仕組み
ステップ1:初期の中心点(クラスタ中心)を決める
まずは、データの中にランダムでk個の点をクラスタ中心として配置します。今回は例としてk=2とし、2つのグループに分けることを考えます。
ステップ2:各データを最も近い中心点に分類
すべてのデータ点(丸)に対して、どの中心点(×印)に近いかを計算し、最も近いもののグループに分類します。ここで初めて色分けが行われます。
ステップ3:各クラスタの新しい重心を計算
グループに分けた後、それぞれのグループの重心(平均点)を計算し、その位置に新しい中心点を再設定します。
ステップ4:再分類を繰り返す
新しい中心点が設定されたら、またデータ点との距離を計算し、再びグループを分け直します。この処理を繰り返して、色の変化がなくなるまで(=安定するまで)ループを続けます。
補足: 最初のクラスタ中心の置き方によって結果が変わる場合があるため、k-meansは何度か試行し、最良の結果を選ぶのが一般的です。
ワインで学ぶ!クラスタリングの具体例
酸味とポリフェノールで2軸プロット
酸味とポリフェノール含有量を2軸としてワインのデータを点で表すと、クラスタリングによって「さっぱり系」と「濃厚系」に自動分類されるようなことが可能になります。
- 新商品のグループ分け
- 顧客タイプの分類
- 市場セグメントの発見
次元が増えても大丈夫!
データが3次元(例えば、酸味・香り・渋み)やそれ以上になっても、k-meansクラスタリングは同様の手順で処理可能です。もちろん、私たちの目には見えませんが、機械は何十次元でもOKです。
実用的ポイント: 実際のマーケティングでは、100項目以上あるアンケート結果をクラスタリングして、顧客像を4タイプに分けるといった使い方もあります。
k-meansの注意点と発展形
ランダム初期化の弱点
最初の中心点の位置によっては、うまくクラスタが分かれないことも。そのため、k-means++といった初期値を工夫する改良版も存在します。
すべてが理想的に分かれるとは限らない
人間から見れば「なんでこれとこれが一緒?」というグループ分けが行われることもありますが、それもまた教師なし学習の魅力です。
クラスタリングはAIの直感力!
正解を教えなくても、AIが自らパターンを見つけて分類してくれるk-meansクラスタリング。難しい数学は不要で、ビジネスやデータ分析の現場でも役立つ強力なツールです。今回の動画を通じて、「あ、こうやって機械はデータを理解するんだな」と感じていただけたらうれしいです。
この動画を見るべきかどうか評価
- 理解しやすさ:★★★★★
- 実務応用度:★★★★☆
- 楽しさ・親しみやすさ:★★★★☆
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