ベニア板にコンクリートエフェクトを塗っても、うっすらと木目が浮いてしまう――そんな悩みを持つ方に朗報です。
この記事では、木目をしっかり消しつつ、滑らかで美しいコンクリート調に仕上げる具体的な方法を紹介します。
見どころ
- 仕上がりの違い:★★★★☆
- 作業のしやすさ:★★★☆☆
- コストパフォーマンス:★★★★★
木目が消えない原因と基本の考え方
ベニア板は木材を薄く削って作られており、どうしても表面に木目(導管)が残っています。この導管の凹凸が、コンクリートエフェクトを塗っても“筋”として浮き出てしまう原因です。特にテーブル天板など近距離で見る場合、わずかな凹凸も気になります。
この木目を完全に消すには、「目を埋める」ことが必須です。方法としては大きく2種類あります。
- パテで埋める方法(厚い凹凸にも対応)
- サンディングシーラーで埋める方法(細かい凹凸に対応)
豆知識:「サンディングシーラー」は塗装下地を整える液体状の素材で、木材の導管を埋める役割を持ちます。一方「パテ」はペースト状で、より深い溝を物理的に平らにするために使います。
パテを使う方法:最も確実な木目消し
1. パテを塗る準備
パテは紙粘土のような質感を持つ柔らかい素材です。コテを使ってベニアの木目に押し込みながら塗布します。白い筋が見えるのは、パテが木の導管に入り込んでいる証拠です。
2. 均一に塗るコツ
厚すぎると乾燥に時間がかかり、薄すぎると木目が再び浮き出ます。目安としては、木目が完全に見えなくなる程度に薄く均一に伸ばすこと。乾燥後、360番程度のサンドペーパーで平らに研磨します。
3. 指先チェック
研磨後は必ず指で表面をなぞって確認しましょう。人間の指先は非常に繊細で、0.01mmの段差でも感知できます。触って段差を感じなければ、十分にフラットです。
ポイント: ペーパーは必ず「当て板」を使って削りましょう。指で直接削ると、指の圧力のかかる部分だけ深く削れてムラになります。
サンディングシーラーとの比較
液体タイプのサンディングシーラーは刷毛で塗れる手軽さが魅力ですが、深い木目は埋まりにくく、4〜5回以上塗らないと効果が出ません。乾燥時間も必要なため、効率より手軽さを重視する場合に向いています。
実験では、1回塗りでは木目がほぼ残り、3回塗りでようやく滑らかになりました。それでもパテ仕上げの方が圧倒的にフラットで、コンクリート特有の「無機質な質感」に近づきます。
仕上げの色と質感の違い
同じ塗料(例:ファニチャーブラウン)でも、下地の滑らかさによって色の見え方が変わります。ザラついた面では光が凹凸に吸収され、暗く見えます。逆にパテで平滑にした面では光が均一に反射し、やや明るく見えます。
豆知識: 木材は多孔質(小さな穴が多い構造)です。塗料がその穴に吸い込まれると、表面の光反射が乱れて暗く見える現象が起きます。
OSB板にも応用できる?
最近人気のOSB合板(木片を接着剤で圧縮したもの)でも、表面のトゲやざらつきを抑えたい場合はサンディングシーラーが有効です。6回ほど重ね塗りすれば、手触りも滑らかになり、壁面使用時の“ささくれ”も防げます。
目的で使い分けるのがベスト
- 完全に木目を消したい:パテ仕上げが最適。コンクリートエフェクトや単色塗装に向く。
- 木の風合いを活かしたい:サンディングシーラーで軽く整える程度がおすすめ。
- 広い面やDIY初心者:液体タイプ(シーラー)の方が扱いやすい。
仕上がりを急がず、乾燥や研磨を丁寧に行うことが最終的な美しさにつながります。DIYは「早く仕上げる」より「楽しんで仕上げる」ことが最大のコツです。
まとめの豆知識: コンクリート風塗装を行う際、最も重要なのは下地処理です。塗料の性能ではなく、「いかに平滑な下地を作るか」が仕上がりを左右します。



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