ヨーロッパの中心にひっそりと佇む、小さくも非常に豊かな国、ルクセンブルク。東京23区ほどの小さな国土に、中世の面影を残す美しい街並みと豊かな自然が凝縮されています。今回は、そんな「ヨーロッパの静かな宝石」とも呼ばれるルクセンブルクの魅力を、実際に旅した記録と共にご紹介します!落ち着いた大人の旅を楽しみたい方、必見ですよ。
【ルクセンブルク旅行の魅力】
経済的な豊かさがもたらすユニークな体験と、歴史が息づく街並みの散策は、きっとあなたの心に残る旅になるはずです。特に、世界でも類を見ない「公共交通機関の完全無料化」は、旅行者にとってこれ以上ないメリット!ストレスフリーで快適な旅があなたを待っています。
▼見どころ5段階評価▼
- 世界遺産「ボックの砲台」:★★★★★
- ヨーロッパで最も美しいバルコニー「コルニッシュ通り」の夜景:★★★★★
- 驚きの公共交通機関無料体験:★★★★☆
小さな大国、ルクセンブルクへようこそ!
今回はベルギーのブリュッセルから高速バスに乗り、約2時間半でルクセンブルクに到着しました。ヨーロッパの高速バスは、なんと自転車もそのまま乗せられることがあるんですね。サイクリストにはたまらない環境です。
ルクセンブルクは、その小さな国土とは裏腹に、金融業が非常に盛んで経済的に大変豊かな国です。緑あふれる渓谷や森に囲まれ、中世の城塞や石造りの街並みが今なお残る風景は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのよう。落ち着いた雰囲気で、ゆったりと自分のペースで旅をしたい方にぴったりの場所です。
訪れたのは8月でしたが、気温は20℃から最高でも25℃と非常に過ごしやすかったです。
豆知識:なぜ「ヨーロッパの静かな宝石」?
ルクセンブルクは、フランス、ドイツ、ベルギーという大国に囲まれているため、観光地として見過ごされがちでした。しかし、そのおかげで手付かずの自然と歴史的な街並みが静かに保たれ、知る人ぞ知る美しい場所として「静かな宝石」と称されるようになったのです。
なんと交通費ゼロ円!?驚きの公共交通システム
ルクセンブルクに到着してまず驚くのが、国内の公共交通機関(バス、トラム、電車)がすべて無料で利用できることです。これは国民だけでなく、我々のような旅行者にも適用されるというから驚きです!
ルクセンブルク中央駅は、可愛らしい外観と素敵な天井画が印象的な駅です。コンパクトながらも待合室やパソコン作業ができるスペースも完備されており、無料Wi-Fiも利用可能。ここを拠点に、無料でどこへでも移動できるなんて、夢のようですよね!
なぜ無料なの?その背景にあるルクセンブルクの豊かさ
この大胆な政策が実現した背景には、深刻な交通渋滞がありました。ルクセンブルクは隣国のフランス、ドイツ、ベルギーから車で通勤する人々が非常に多く、国内の渋滞は大きな社会問題だったのです。
そこで政府は、車から公共交通機関へのシフトを促すため、2020年に思い切って公共交通機関の完全無料化に踏み切りました。この取り組みは見事に成功し、渋滞は大幅に緩和されたそうです。一人当たりのGDPが世界トップクラスという、国の豊かさがあってこそ実現できた画期的な政策と言えるでしょう。
中世にタイムスリップ?ルクセンブルクの必見スポット
無料の交通機関を駆使して、さっそく街の散策に出かけましょう。ルクセンブルクは歩いているだけでも楽しい発見に満ちています。
荘厳な祈りの空間「ノートルダム大聖堂」
街の中心にそびえ立つ、大きなカトリック教会です。パリのノートルダム大聖堂と同じ名前ですが、こちらはルクセンブルクの象徴的な存在。17世紀に建てられたゴシック様式の高い塔や、美しいステンドグラスが特徴です。内部には国の王族である大公家のお墓もあり、国民にとって非常に大切な場所とされています。
教会内には懺悔室がいくつも並んでおり、その数の多さに驚かされました。静かで厳かな空気が流れ、心が洗われるようなひとときを過ごせます。
ルクセンブルクの胃袋を満たす!伝統料理に舌鼓
散策でお腹が空いたら、地元のレストラン「ブラッスリー・サークル」へ。ここでは、ルクセンブルクの伝統料理を味わうことができます。
今回注文したのは「ユッド・マット・ガールデボーネン(Judd mat Gaardebounen)」という料理。これは、燻製豚肉をそら豆のクリームソースで煮込んだもので、ベーコンとハーブの風味が絶妙にマッチしていて、思わず唸るほどの美味しさでした!
一緒にいたドイツ在住のフリーランス仲間曰く、「大きなソーセージとベーコン、そしてポテトがあれば、それはもうドイツ料理だ!」とのこと。地理的に近いこともあり、食文化にも共通点が見られるのは面白い発見ですね。
Judd mat Gaardebounenとは?
ルクセンブルクの国民食とも言えるこの料理。塩漬けにしてから燻製にした豚の首肉を、香味野菜と共にじっくりと煮込み、そら豆のクリームソースを添えていただきます。素朴ながらも深い味わいで、地元のビールや白ワインとの相性も抜群です。
最大の見どころ!世界遺産「ボックの砲台」を攻略せよ
ルクセンブルクで唯一の世界遺産が、この「ボックの砲台」です。渓谷の断崖絶壁に築かれた巨大な要塞跡で、その歴史は10世紀にまで遡ります。
入場料は10ユーロかかりますが、その価値は十分にあります!一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気に包まれた広大な地下要塞が広がっています。まるで迷路のような通路を進んでいくと、気分はすっかり探検家です。
砲台から望む、息をのむようなパノラマビュー
この要塞のハイライトは、なんといっても展望スポットからの眺めです!眼下には緑豊かな渓谷と、アルゼット川沿いに広がる美しい街並みが一望できます。風が吹き抜けるこの場所で景色を眺めていると、時が経つのも忘れてしまうほど。
歴史的な要塞と近代的な建物が共存する風景は、ルクセンブルクならではの光景です。まさに「一見の価値あり」と言える絶景スポットでした。
旅にトラブルはつきもの?臨機応変なホテル変更劇
実はこの日、ヴィアンデンという街に宿を予約していたのですが、なんと向かう予定だった電車が全面運休というトラブルが発生!バスで行くと2時間半もかかってしまうことが判明しました。
明日のフライトのことも考えると、これは少しリスキーだと判断し、急遽予約をキャンセル。ルクセンブルク駅の目の前にある「エンパイアホテル」を新しく予約し直しました。約2万円のキャンセル料は痛い出費でしたが、これも旅の醍醐味の一つと捉え、臨機応変に対応することが大切ですよね!
結果的に駅前のホテルにしたことで、夜の散策や翌朝の空港への移動が非常にスムーズになり、まさに怪我の功名でした。
昼とは違う顔を見せる、ルクセンブルクの幻想的な夜景
夜のルクセンブルクは、昼間の穏やかな雰囲気とは一変し、ライトアップされた街並みが幻想的な表情を見せてくれます。
「ヨーロッパで最も美しいバルコニー」コルニッシュ通り
夜景散策のハイライトは、なんといっても「コルニッシュ通り」。「ヨーロッパで最も美しいバルコニー」と称されるこの遊歩道からは、ライトアップされた渓谷のグルント地区や、歴史的な橋、城壁を見下ろすことができます。
通り自体は非常に静かで、落ち着いて夜景を堪能できます。満月の夜だったこともあり、その美しさは格別でした。
冒険心をくすぐるグルント地区と便利な無料エレベーター
コルニッシュ通りの下、渓谷の底に広がるのが「グルント地区」です。石畳の道や古い建物が並び、まるで異世界に迷い込んだかのような雰囲気が漂います。おしゃれなレストランやバーも多く、夜は多くの人で賑わっていました。
「こんな坂道を登って帰るのは大変そう…」と思うかもしれませんが、ご安心を!なんと、このグルント地区と上の市街地を結ぶ無料の公共エレベーターがあるのです。朝早くから深夜まで運行しており、管理人の方も常駐しているので安心して利用できます。このエレベーターのおかげで、高低差の激しい街も楽に散策できました。
旅の終わりと次の目的地へ
あっという間にルクセンブルクの滞在も最終日。駅前のホテルに宿泊したおかげで、空港へのアクセスも非常に簡単でした。ルクセンブルク駅前のバス停から出ている29番のバスに乗れば、約20分で空港に直行できます。もちろん、このバスも無料です!
コンパクトながらも機能的な空港でチェックインを済ませ、次の目的地であるスペイン・バルセロナへと向かいました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「公共交通機関がすべて無料」という驚きのシステムから、世界遺産の壮大な景色、そして美食まで、小さな国ルクセンブルクには魅力がぎっしりと詰まっていました。人々はどこか余裕があり、街全体が穏やかな空気に包まれているのが印象的です。
派手さはありませんが、心豊かになれる静かな時間を過ごしたい方に、ルクセンブルクは心からおすすめできる国です。次の旅行先の候補に、ぜひ加えてみてくださいね!


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