億万長者が見た「人生の景色」とは?DMM亀山会長が語るお金の真実

億万長者が見た「人生の景色」とは?DMM亀山会長が語るお金の真実 インタビュー

DMM.comグループの創業者である亀山敬司会長が、資産ゼロから数千億円にまで達する中で見てきた「人生の景色」について語る、示唆に富んだインタビューをご紹介します。

多くの人が想像するような派手な生活とはかけ離れた、地に足の着いた亀山会長の言葉は、私たちのお金に対する価値観を揺さぶるかもしれません。成功とは何か、豊かさとは何かを深く考えさせられる内容です。

亀山会長の「人生の景色」5段階評価

亀山会長のお話は、単なる成功譚ではありません。お金が増えることの喜びや、同時に訪れる消費からの「拒絶」というユニークな視点、そして最終的にたどり着く心の豊かさについて、率直に語られています。読者の皆さんも、きっと「なるほど!」と感じる瞬間があるはずです。

  • 見どころ1:お金と幸福感の関係性:★★★★★
  • 見どころ2:消費の「限界」と「拒絶」:★★★★★
  • 見どころ3:お金以外の「喜び」の追求:★★★★★

0円から数千億円へ:亀山会長が語るお金の変遷

1億円の景色:初めて手にした「欲しいもの」

20代半ば、資産が1億円に達した頃、亀山会長は初めて大きな買い物をします。それは、中古の60年代ベンツ。約500万円で購入したこの車は、当時の亀山会長にとって「変えた!」という喜びをもたらし、非常に幸せだったと振り返ります。会社の規模が数千万円の利益を出していた頃だそうです。周囲の反応は変わらなかったものの、その車を手に入れた喜びは格別だったと語っています。

面白いのは、その後の生活が大きく変わらなかったことです。一般的に想像されるような派手な生活には向かわず、日頃の生活は自転車通勤で、電気も10年使っているもの。コーヒーも安いものを選ぶなど、非常に質素なままだそうです。

豆知識: 多くの成功者が口を揃えて言うのが、「本当に欲しいものは意外と少ない」ということ。お金が増えることで、むしろ本当に大切なものが明確になるのかもしれません。

10億円の景色:消費への欲求の「限界」

資産が10億円規模になった時、亀山会長の消費行動はさらに変わらなかったと語ります。海外旅行やファーストクラス、大きな家など、一般的に「お金持ちの景色」として語られることにはあまり興味が湧かなかったそうです。なんと、移動手段は未だに電動自転車で、しかもバッテリーがすぐ上がるボロボロの自転車を愛用しているとのこと。なぜ買い替えないのかと問われると、「盗まれにくいし、ボロいから盗まれたら買い換えようと思って10年経った」と、なんとも亀山会長らしい合理的な答えが返ってきました。

この時期、亀山会長のお金はビジネスへの再投資に向かい、株式での資産運用にも興味がなかったと語ります。ギャンブル的に手を出して損した経験もあったそうです。消費の喜びが少ないという言葉は、お金に対する独自の価値観を示しています。

豆知識: お金持ちの中には、あえて質素な生活を送る人も少なくありません。それは、無駄な消費を嫌う合理性や、事業への再投資を優先する思想、あるいは「お金を使わなくても満たされる」という精神的な豊かさの表れかもしれません。

100億円の景色:味覚の「真実」と「時間の価値」

資産が100億円規模になった時も、消費行動は大きく変わらなかったと語ります。亀山会長は、妻の買い物に同行することで初めて物の値段を知るようになったそうです。高級イチゴの味比べをした際も、「一番安いものが自分の好みだった」と率直に語っています。また、5,000円のワインも100万円のワインも、味の違いは「1.1倍くらいしか分からない」と衝撃的な告白をしています。食事に関しても、高級店で5万円の料理と、それほど高くない料理との味の差は「1.5倍くらい」だというのです。

このエピソードは、お金持ちになればなるほど、味覚や感覚が研ぎ澄まされ、より質の高いものを求めるようになるという一般的なイメージを覆すものです。「高いから美味しい」という先入観が、いかに私たちの感覚を麻痺させているかを考えさせられますね。

さらに、亀山会長は「5万、10万円する店は予約がめんどくさい」と語り、ラーメン屋で列ができていたら、いくら美味しくても「並ぶくらいなら他の店でいい」と考えるそうです。これは、お金よりも「時間」の価値を重視する、経営者ならではの合理的な思考とも言えるでしょう。

数千億円の景色:事業の成長がもたらす「ちょびちょび嬉しい」

そして、DMM.comグループが数千億円規模の会社になった現在。自分の会社が大きくなることに対して「めっちゃ嬉しい」という感覚は、あまりないそうです。しかし、「毎年少しずつ良くなっているのは嬉しい」と語り、「ちょびちょび嬉しい」という独特の表現でその喜びを語っています。

これは、経営者として事業が右肩上がりに伸びていくこと、自分のやっていることが成長していくことに喜びを感じている表れです。体力作りや歌が上手くなることと同じように、自分の努力が実を結ぶことに喜びを感じるといいます。お金持ちになりたいというよりは、「稼ぐ力」をつけたいと小さい頃から思っていたと振り返っています。

お金持ちの「寂しさ」と「欲望の限界」

「消費からの拒絶」とは?

亀山会長は、「お金持ちすぎると消費から拒絶される」という興味深い考えを述べています。お金がないと消費を楽しめないが、無限にお金があってもやはり楽しめないというのです。なぜなら、いつでも買えるものを相手にプレゼントしても、そこに「愛」や「感謝」が伝わりにくいからです。

例えば、高いバッグよりも手作りの誕生日プレゼントを渡した時の方が、相手は喜んでくれる。それは、そこに時間や手間、そして我慢が伴っているから。お金がありすぎると、そうした「手間暇」や「犠牲」を払う機会が減ってしまい、結果的に「愛を伝える」という行為が難しくなる、というのです。これは、お金では買えない価値があることを改めて教えてくれます。

「虚しさ」と「愛」の重要性

「お金で解決しようとすると寂しくない?」という亀山会長の問いかけは、多くの人の心に響くのではないでしょうか。お金の力で人を集めても、それは本当に自分に会いたいわけではないかもしれません。「もし俺がお金なくなったらもう来なくなるかな」と考えてしまうと、寂しいと語ります。

本当は「尊敬しています」とか「良いこと言ってましたね」など、お金以外の部分で評価されることの方が嬉しいと感じるそうです。お金持ちの多くが求めているのは、実は「愛」なのではないかと推測しています。お金で努力するよりも、愛を得る方が手間暇はかかるけれど、満足度は高まるといいます。

そして、亀山会長は「欲望には限界がある」と強調します。どんなにお金を稼いでも、どんなに贅沢な暮らしをしても、最終的には「虚しさ」を感じる時が来るというのです。豪華な別荘に住んでみたものの、広すぎて不便だったというエピソードは、物質的な豊かさだけでは満たされないことを示唆しています。

豆知識: 心理学では、「快楽の適応」という現象が知られています。これは、どんなに良い経験でも、時間が経つと慣れてしまい、喜びを感じにくくなることです。物質的な豊かさも、この快楽の適応によって、やがて当たり前になってしまうのかもしれません。

お金の使い方に現れる「人間性」

お金の使い方には、その人の人間性が現れると亀山会長は語ります。自分が満たされてからで良いけれど、お金がない時に我慢してまで誰かのために使うのは違う。お金があれば、仕事に使うか、家族や友人のために使うか。誰かのためにお金を使うことで、喜びを感じるというのです。亀山会長は、高級店に行くのも「相手の人が美味しいですって言ってくれるのを見たら楽しいから行く」と語り、自分のためというよりは、相手の喜ぶ顔を見ることに価値を見出しています。

亀山会長が30歳頃に「欲望の限界」に気づいたという話は、非常に興味深いです。物質的な欲求が満たされ、好奇心さえも満たされた時、人間はさらなる高み、つまり精神的な豊かさを求めるようになるのかもしれません。1億円を超えると、お金の「景色」はほぼ変わらないという言葉は、私たちのお金に対する執着を、良い意味で手放させてくれるのではないでしょうか。

お金は、あくまで人生を豊かにするためのツールであり、最終的には「選択の自由」を与えてくれるもの。しかし、それ以上に大切なのは、自分自身の成長や、誰かの喜びにつながる経験、そして何よりも「愛」なのかもしれません。亀山会長のお話は、私たちが日々追い求める「豊かさ」とは何かを、改めて問い直すきっかけを与えてくれますね。

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