ポルトガルという国の魅力に一度触れてしまうと、誰もがその虜になってしまうのではないでしょうか。昨年訪れたリスボンの感動が忘れられず、私たちは再びこの国へやって来ました。今回の目的地は、第二の都市ポルトとその周辺に広がる歴史豊かな街々です。3日間という限られた時間の中で、美食、絶景、そして心温まる出会いを満喫した旅の記録をお届けします。この記事を読めば、あなたもきっとポルトガルへ旅立ちたくなるはずです!
【この旅の魅力ポイント】
リスボンとはまた一味違う、落ち着いた雰囲気と歴史の深さが感じられるポルトガル北部。どこを切り取っても絵になる街並みは、歩いているだけで心が満たされます。特に、新鮮なシーフードや地元で愛されるB級グルメは絶品!世界遺産や美しい教会など、見どころも満載で、好奇心を刺激されること間違いなしの旅でした。
- 見どころ① アズレージョの芸術性:★★★★★
- 見どころ② ポルトガルの美食探訪:★★★★☆
- 見どころ③ 歴史と絶景の街歩き:★★★★★
ポルト到着!青いタイルの街並みと甘い誘惑
ポルトの駅に降り立った瞬間、私たちの目に飛び込んできたのは、息をのむほど美しい青いタイルの装飾でした。そう、ポルトガル名物のアズレージョです。
街中が美術館!アズレージョの美しさに感動
最初に訪れたのは、壁一面が壮大なアズレージョで彩られた「アルマス大聖堂」。その青と白が織りなす繊細な絵物語は、まるで巨大な芸術作品のよう。旅の始まりから、ポルトの持つ美しさのレベルの高さを思い知らされました。
また、構内全体がアズレージョで埋め尽くされている「サン・ベント駅」も必見です。ここは単なる駅ではなく、ポルトガルの歴史を描いた美術館そのもの。電車を待つ時間さえも、特別なひとときに変わります。最終日には、ポルトガル最大級とも言われるアズレージョが圧巻の「カルモ教会」も訪れ、その芸術性に完全に魅了されてしまいました。
【豆知識】アズレージョとは?:ポルトガルを象徴する装飾タイルのこと。元々はイスラム文化の影響を受けて発展しましたが、16世紀以降にポルトガル独自のスタイルを確立しました。教会の壁面だけでなく、駅や一般家庭の壁など、街の至る所で見ることができ、ポルトガルの人々の生活に深く根付いています。
ポルトに来たら絶対やりたい!パステル・デ・ナタ食べ比べ選手権
今回の旅で、私たちがひそかに決めていたミッションがあります。それは…パステル・デ・ナタ(エッグタルト)の食べ比べです!
ポルトの中心地には、数多くのパステル・デ・ナタ専門店が軒を連ねており、お店巡りも簡単。サクサクのパイ生地としっとり濃厚なカスタードクリームの組み合わせは、まさに至福の味。私たちは地元民に人気の老舗店など、気になるお店を何軒もハシゴしました。
お店によってクリームの甘さや生地の食感が微妙に異なり、「こっちは卵の風味が強いね!」「あっちのパイはバターの香りがすごい!」なんて言い合いながら食べるのが本当に楽しい!無限に食べられそうでしたが、後の美食のために一旦ここでストップです(笑)。
ポルトの胃袋を満たす!市場とソウルフード巡り
街歩きでお腹が空いたら、ポルトの食文化を体験しに行きましょう!活気あふれる市場から、地元民が愛するB級グルメまで、魅力的な食事が待っています。
活気あふれるボリャン市場で絶品シーフード
1839年から続く歴史ある「ボリャン市場」は、地元の人々と観光客でいつも賑わっています。市場の中には新鮮な魚介、果物、お土産物などがずらり。私たちは、ひときわ賑わっていたシーフードバーで遅めの昼食をとることにしました。
海に近い都市ポルトでは、シーフードにハズレはありません!新鮮な魚介をシンプルな調理法でいただく。これ以上の贅沢があるでしょうか?市場の活気を感じながら味わうシーフードは、格別の美味しさでした。
安くてうまい!庶民の味方「ビファナ」とは?
次に向かったのは、ポルトガルのソウルフード「ビファナ」が味わえるお店。ビファナとは、ニンニクや香辛料で味付けした薄切りの豚肉をパンに挟んだ、シンプルなサンドイッチです。
私たちが食べたお店のビファナは、豚肉がまるで日本の生姜焼きのような親しみやすい味付けで、これがパンと絶妙にマッチ!しかも、価格は驚きの2.9ユーロ!日本で言うところの、安くて早くて美味しい牛丼屋のような立ち位置なのかもしれませんね。小腹が空いたときにぴったりの一品です。
【豆知識】ポルトガル生まれの陶器ブランド「COSTA NOVA」:リスボンで行きそびれてしまった陶器ブランド「COSTA NOVA」のショップにも立ち寄りました。海をモチーフにしたシンプルで温かみのあるデザインが特徴で、日常使いしやすいアイテムばかり。価格も手頃なので、お土産探しにもおすすめのスポットです。
夕暮れの絶景と美食の夜
日が傾き始めると、ポルトの街はさらにロマンチックな表情を見せ始めます。ドウロ川に架かる橋からの眺めは、まさに絶景です。
『魔女の宅急便』の世界へ?ドン・ルイス1世橋からの眺め
ドウロ川に架かる雄大な「ドン・ルイス1世橋」。実は、ポルトの街並みはスタジオジブリの映画『魔女の宅急便』の舞台になった場所の一つとも言われています。橋の上からオレンジ屋根の家々が連なる景色を見下ろしていると、本当にキキがほうきで飛んできそうな気がしてきます!
突然の豪雨に見舞われましたが、雨上がりの夕暮れは格別の美しさ。ゆったりとした時間が流れる日没の川辺を散策し、旅情に浸りました。
忘れられない味!川沿いレストランの絶品タコ飯
その日の夕食は、川沿いにある人気のレストランへ。ここでいただいたタコ飯が、忘れられないほどの美味しさでした。タコの旨味が染み込んだご飯は、まさに絶品。ポルトガルのタコ料理のレベルの高さを実感しました。「これはまた絶対に食べたい!」と心から思える一皿との出会いは、旅の最高の思い出になりますね。
ちょっと足を延して。世界遺産と古都を巡る日帰り旅
2日目は電車に乗り、ポルトから少し足を延ばしてブラガとギマランイシュへ向かいました。
電車で向かう祈りの街、ブラガ
まだ薄暗い早朝、サン・ベント駅から電車に乗り込み、約1時間の列車の旅。のどかな景色を眺めているうちにあっという間にブラガに到着です。朝ごはんに立ち寄った地元のベーカリーでは、パンやペイストリーをたくさん頼んだにも関わらず、合計金額を見てびっくり!そのコスパの良さに朝から幸せな気持ちになりました。
ブラガでの目的地は、山頂にそびえ立つ世界遺産「ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」です。ここから見下ろすブラガの街の景色は、まさに壮観でした。
圧巻!ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域のジグザグ階段
この聖域の最大の見どころは、573段にも及ぶバロック様式の美しいジグザグ階段です。私たちは教会からこの階段を下っていくことにしました。
- 上段「三徳の階段」:信仰・希望・慈愛をテーマにした彫刻があります。
- 下段「五感の階段」:踊り場ごとに触覚・味覚・嗅覚・聴覚・視覚を表す泉の彫刻が置かれています。
振り返ると、天まで続くかのような階段の幾何学的な美しさに圧倒されます。鳥のさえずりと緑の香りに包まれながら階段を下りていくと、心が浄化されていくような不思議な感覚になりました。
ポルトガル発祥の地、ギマランイシュの穏やかな時間
ブラガでシーフードランチを堪能した後、バスで30分ほどの場所にあるギマランイシュへ。ここは、ポルトガル人の同僚が「ぜひ行ってみて!」とおすすめしてくれた街で、ポルトガル発祥の地と言われる古都です。
中世の面影が色濃く残る美しい街並みを歩いていると、まるでタイムスリップしたかのよう。有名な教会やお城もありますが、この日はただ気の向くままに歴史的な街歩きを楽しみました。遠足に来ていた地元の子供たちが突然歌を披露してくれるという、心温まるサプライズも!都会の喧騒を離れ、落ち着いた街の雰囲気に心から癒された一日でした。
ポルト最終日!アートと魔法、そして最高のディナー
あっという間に旅は最終日。この日ももちろん、朝食のパステル・デ・ナタからスタートです!
ハリー・ポッターファン必見!世界で最も美しいレロ書店
最終日に訪れたのは、「世界で最も美しい書店」に選ばれたこともある「レロ書店」。ここは、J.K.ローリングが『ハリー・ポッター』の着想を得た場所としても知られ、ファンの聖地となっています。
曲線が美しい赤い階段、天井のステンドグラス、壁一面の本棚。その内装はまさに魔法の世界!あまりの人気ぶりに「世界一長蛇の列ができる本屋」と言われるのも納得です(笑)。
【耳より情報】レロ書店の入場システム:入店には8ユーロのチケットが必要ですが、店内で本を購入すると、その8ユーロ分が割引になるという嬉しいシステムになっています(本以外のグッズは対象外)。旅の記念に一冊選んでみてはいかがでしょうか。
ポルトの街を一望!そして最後のポルトガル飯へ
レロ書店の後は、クレリゴスの塔に登り、225段の階段を上った先からポルトのオレンジ屋根の街並みを一望。可愛い雑貨屋さんを巡りながら、旅の最後の食事となるランチのレストランへ向かいました。
私たちが選んだのは、タコ料理が名物のお店。運ばれてきたのは、インパクト絶大なタコの足!その見た目に一瞬怯みましたが、一口食べるとその柔らかさと繊細な味わいに驚かされます。見た目と味のギャップが楽しい、最高のポルトガル飯で旅を締めくくりました。
まとめ
ポルト、ブラガ、ギマランイシュを巡った3日間の旅。美しいアズレージョの街並み、新鮮なシーフードや素朴な地元料理、そして歴史の重みを感じる世界遺産。ポルトガル北部は、訪れる人々を温かく迎え入れてくれる魅力にあふれた場所でした。
ちなみに、3日間かけて食べ比べたパステル・デ・ナタですが、我が家の最終的な結論は…「リスボンにあるPastéis de Belémが一番好み!」という結果になりました(笑)。これもまた、旅の正直な感想です。
この旅を通じて、私たちはますますポルトガルという国が大好きになりました。次に訪れるときは、どんな素敵な景色と出会えるのでしょうか。今からもう、次の旅が楽しみで仕方がありません。


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