転職活動のクライマックス、面接。準備は万全なはずなのに、なぜか手応えがない…。そんな悩みを抱えていませんか?この記事を読めば、あなたの面接に対する考え方が180度変わるかもしれません。
今回は、メガベンチャー・サイバーエージェントで約17年間、人事の最前線で活躍し、現在は常務執行役員CHO(最高人事責任者)を務める「レジェンド人事」こと曽山哲人さんのインタビュー内容を基に、面接突破の極意を徹底解説します。2,000人以上の面接経験を持つ曽山さんの言葉には、あなたのキャリアを切り拓くヒントが満載です。さあ、内定を掴み取るための準備を始めましょう!
【この記事から得られること】
この記事を最後まで読めば、面接官が本当に知りたいことが分かり、自信を持って面接に臨めるようになります。小手先のテクニックではなく、ビジネスパーソンとしての市場価値を高める本質的な考え方が身につきます。
【見どころ5段階評価】
- レジェンド人事の質問術:★★★★★
- 意外と知らない面接の落とし穴:★★★★☆
- 市場価値を爆上げする働き方:★★★★★
面接官はここを見ている!曽山氏が必ず聞く3つの質問
いよいよ面接本番!一体どんな質問が飛んでくるのか、ドキドキしますよね。曽山さんが「これだけは絶対に聞く」と断言する3つの質問には、応募者の本質を見抜くための深い意図が隠されていました。
質問1:前の面接官(社員)と話した感想は?
「一次面接を担当した〇〇との面談はどうでしたか?」
一見、アイスブレイクのようなこの質問。しかし、曽山さんはこの回答から、応募者が自社のどこに魅力を感じ、共感してくれたのかを探っているそうです。
例えば、「未来の話が聞けてワクワクしました」という感想が出れば、「この人は会社のビジョンや成長性に期待してくれているんだな」と分かります。この共感ポイントは、内定を出した後のクロージングで「うちの会社なら、あなたのワクワクする未来を実現できますよ」と、より響くメッセージを伝えるための重要なヒントになるのです。
ただの感想と侮ってはいけません。あなたという人間が「何に心を動かされるのか」を伝えるチャンスなのです!
質問2:あなたの将来像は?
「将来像」と聞くと、「5年後はマネージャーになり、10年後には事業部長として…」なんて、壮大なキャリアプランを語らなければならないと身構えてしまいませんか?
その心配は全く不要です! 曽山さんによれば、明確なビジョンを持っている人の方がむしろ少ない、とのこと。大切なのは、会社の向かう方向性と、あなたの進みたい方向性が「なんとなくでも、遠くで繋がっているか」どうかです。
曽山さんは、あえて「サイバーエージェントのことは一旦横に置いて、未来がどんな感じだとハッピーですか?」と、抽象的な聞き方をすると言います。これは、応募者の価値観や幸福の源泉を知り、それが自社の「21世紀を代表する会社を創る」といった大きな目標と、どう重なるかを見極めるためです。
無理に作ったビジョンを語るより、「成長しているIT業界で新しいことに挑戦したい」という素直な気持ちを伝える方が、よほど好印象に繋がるのです。
【豆知識】ビジョンを聞く面接官への「ゆるい反骨心」: 曽山さんは、「応募者にビジョンを聞くからには、面接官自身も自分の夢を語れないといけない」という考えを持っているそうです。このスタンスがあるからこそ、応募者に過度なプレッシャーを与えない、優しい質問になるのですね。素晴らしい考え方です。
質問3:今の仕事で成果を出せた「ポイント」は?
職務経歴書に書かれた「年間MVP獲得」「売上目標150%達成」といった華々しい実績。これ自体は素晴らしいことですが、曽山さんが知りたいのはその先です。
「なぜ、MVPを取れたのですか?」
この質問で、結果に至るまでのプロセスや工夫、つまりあなただけの「オリジナルなメソッド」を深掘りします。「計画性を重視した」「アポイントの量を徹底した」など、人によって答えは様々。そこから、あなたの仕事に対する価値観や強みが見えてくるのです。
さらに、曽山さんは「なぜ、その計画性が重要だと思うようになったのですか?」と、その人のルーツや原体験にまで踏み込みます。ここまで深掘りされると、先輩の成功体験を借りてきたような薄っぺらい回答は通用しません。逆に、自分の経験に裏打ちされた話であれば、熱意を持って語ることができ、唯一無二の強みとして面接官に伝わるはずです。
これはもったいない!面接でやりがちな2つのNG回答
良かれと思ってやったことが、実は逆効果だった…なんてことは避けたいですよね。ここでは、多くの応募者が陥りがちな「もったいない」NG回答を2つご紹介します。
NG例1:「御社は本当に素晴らしい会社で…」と褒めちぎる
企業のことをよく調べて、リスペクトを伝えるのは大切なことです。しかし、それが度を過ぎてしまうと問題です。なぜなら、会社のことを褒める時間が増えるほど、あなた自身のことをアピールする時間が減ってしまうからです。
曽山さんはこの状態を「恋しちゃってる」と表現しています。外部の情報だけで理想の会社像を膨らませ、まるでアイドルのファンかのように語ってしまう状態です。面接官からすると、「この人は入社後の現実(課題や困難)を受け止めきれるだろうか?」と、かえって不安にさせてしまうのです。
褒めるのはほどほどに。その時間で、あなたがどう貢献できるかを語りましょう。
NG例2:「とにかく入社したいです!」と熱意を連呼する
「第一志望です!」「絶対に入社したいです!」という言葉。熱意の表れとして言いたくなる気持ちは、痛いほど分かります。しかし、曽山さんは「自信がある人は、そういうことは言わない」と断言します。
面接に何度も足を運んでいる時点で、入社意欲があることは十分に伝わっています。面接官が知りたいのは、「なぜ入りたいのか」そして「入って何ができるのか」という具体的な中身です。
「入社したい」という5文字を繰り返すよりも、あなたの経験やスキル、会社とのマッチングについて5文字でも多く語る方が、よほど有益なアピールになります。意欲は行動で示し、言葉ではあなたの価値を伝えましょう。
【面接官のホンネ】意欲はあくまで評価項目の一つ: 中途採用では、意欲と同じくらい「経験」「スキル」「変化への対応力」といった要素が重要視されます。意欲だけをアピールするのは、テストで1科目だけ満点を取ろうとするようなもの。他の評価項目をアピールする材料を、バランス良く提示することが内定への近道です。
人気のIT業界で引く手あまたになる人材の共通点
今や、誰もが憧れるIT業界。競争が激しいこの業界で、各社から「ぜひうちに来てほしい!」とオファーが殺到する人材には、ある明確な共通点がありました。
鍵は「決断経験」の量と質
その共通点とは、ズバリ「決断経験」です。
SEOや広告運用のスキルがある、といった特定の業務経験ももちろん重要です。しかし、それ以上に価値が高いのが、「自分で決めた」という経験そのものなのです。
特にIT業界は、変化のスピードが速く、常に新しいサービスや課題が生まれます。つまり、前例や正解がない状況で、何かを「決める」場面が非常に多いのです。
- どの顧客にアプローチすべきか?
- どの商品を推薦すべきか?
- 失敗した時、次の一手はどうするか?
こうした「答えのない決断」を自らの意思で行い、その結果から学んできた経験は、他の誰にも真似できない強力な武器になります。受け身で指示をこなすだけでなく、自ら考えて行動した経験があるか。それが、あなたの市場価値を大きく左右するのです。
【明日から実践】市場価値を高める働き方の極意
最後に、転職活動という短期的な視点だけでなく、長期的に市場価値の高いビジネスパーソンになるための秘訣をご紹介します。
「個の時代」だからこそ「組織のために」を考える
「個の時代」と言われ、個人のキャリアやスキルアップが叫ばれる昨今。しかし、曽山さんは「組織のことを考える、これに尽きる」と言います。
自分のキャリアアップや給与への欲求はあって当然。それを否定するのではなく、その上で「今いる組織のために、自分は何ができるだろうか?」と考えてみましょう。
この視点を持つと、不思議なことが起こります。
- 視座が上がる:自分の業務だけでなく、チームや会社全体の課題に目が向くようになります。
- 応援されやすくなる:上司から「組織のことを考えてくれる、ありがたい存在だ」と認識され、仲間や応援してくれる人が増えます。
- 提案が通りやすくなる:「チームの目標達成のために考えたのですが…」という枕詞をつけるだけで、あなたの意見はただの「個人のエゴ」ではなく「組織への貢献」として受け止められやすくなります。
打算でも構わない、と曽山さんは言います。組織のことを考えて行動すれば、回り回って自分にプラスになって返ってくる。これこそが、信頼され、求められる人材になるための、最も確実な道筋なのかもしれません。
曽山さんの言葉は、面接のテクニックに留まらず、私たちの働き方そのものを見直すきっかけを与えてくれます。ぜひ、今日から「決断経験」と「組織貢献」を意識して、日々の仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか。その積み重ねが、あなたの輝かしい未来を創るはずです。
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