あなたは28×28ピクセルの超低画質な「3」の画像を見ても、それが「3」だとすぐにわかるでしょう。でも、コンピューターに同じことをさせようとすると、実はとても難しい課題になります。この動画では、手書きの数字を認識するためのニューラルネットワークの構造について、視覚的に・数式を使わずに解説しています。
ニューラルネットワークとは?
ニューラルネットワークは、人間の脳をモデルにした機械学習の一種です。入力されたデータ(今回は画像)を、複数の層を通じて処理し、最終的に「これは数字の3!」と判断する仕組みです。
基本構造
- 入力層:28×28ピクセル = 784個のニューロン
- 中間層(隠れ層):処理の肝。今回は2層、各16ニューロン
- 出力層:0~9までの10クラスのうちどれかを出力
豆知識: 画像のピクセルごとの明るさは「アクティベーション(活性化)」として扱われます。白は1、黒は0というように数値化されます。
中間層って何をしているの?
私たちは数字を、パーツで認識しています。例えば「9」には輪っかと縦線、「8」には上下の輪っかなど、形の要素があります。中間層はこうした「線」や「輪っか」といったパーツを捉えるために働いています。
層ごとの役割
- 第1中間層:短い線や輪っかなどの基本パターンを捉える
- 第2中間層:それらを組み合わせて「数字らしさ」を判断
つまり、人間が「この形は9っぽいな~」と判断する流れを、ネットワークは数式で再現しているわけです。
どうやって次の層に情報が伝わるの?
各ニューロンの出力は、次の層のニューロンに「重み」をつけて渡されます。その合計値に「バイアス」を足し、シグモイド関数などで0~1の値に変換します。
関連情報: 最近のネットワークではReLU(正規化線形関数)がよく使われています。シグモイド関数より学習が早く進むためです。
数式でまとめると
各層は以下のように表現できます。
- アクティベーション = シグモイド(重み×前の層 + バイアス)
これを行列・ベクトル形式で表せば、処理はぐっと高速になります。多くのライブラリ(PyTorchやTensorFlowなど)がここを最適化しているので、開発が楽になるんですね。
重みやバイアスはどうやって決める?
ここが「学習」の部分です。ネットワークの出力と正解の差を見て、重みやバイアスを調整します。次回の動画ではこの学習方法(勾配降下法など)について解説されるとのことなので、楽しみにしておきましょう!
ニューラルネットワークの構造はこうなっていた!
今回は、手書き数字認識のためのニューラルネットワークの基本構造を、分かりやすく・視覚的に解説しました。数式に頼らず、直感的に理解できるよう工夫されており、AI初心者にこそ見てほしい内容です。
この動画を見るべきかどうか:評価
- 数学が苦手でも理解しやすいか:★★★★★
- AIや深層学習の導入に役立つか:★★★★★
- 次の学習動画にスムーズに繋がるか:★★★★☆
「なんとなく難しそう」と思っていたニューラルネットワークの世界、少しだけ親しみが湧いてきませんか?次回は「学習」の仕組みを深掘りするとのこと。興味が湧いた方は、ぜひ続きをチェックしてみてください!
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