メガバンクの銀行員と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか？高収入、安定、エリート…そんなキラキラした印象とは裏腹に、そのキャリアは想像以上に短く、厳しい現実があるようです。
今回の記事では、ある元銀行員の衝撃的な体験談を元に、知られざる銀行員の世界を深掘りします。彼が社会人1年目で目の当たりにした、42歳での「片道切符の島流し」とは一体何だったのでしょうか？
この記事を読んで、銀行員という仕事の意外な側面に触れてみませんか？「高収入」の裏に隠されたシビアな世界を知ることで、あなたのキャリア観が少し変わるかもしれません。
見どころ
- 驚愕の事例発表：★★★★★
- 銀行員の寿命：★★★★☆
- 黄昏れ研修の真実：★★★★★
あなたは「人生100年時代」という言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし、銀行員のキャリアはスポーツ選手よりも短いかもしれません。
30歳で年収1000万円を超える人もいると言われますが、それは人生の設計図をギュッと圧縮して生きているからなのです。今回の話を聞いて、それでも「出世して勝ち残りたい！」と心に火がついた人は、きっとこの厳しい世界で大活躍できる素質があるはずです。
衝撃の「人事異動発表会」
今回話してくれた元銀行員は、新卒で三井住友銀行の地方支店に配属されました。彼が1年目の秋に初めて目の当たりにしたのは、社内全体がピリピリとした空気に包まれる「人事異動発表会」でした。夕方5時になると、全員が自分の席で固唾を飲んで部長からの電話を待つのです。そして、電話が鳴り、転勤者が呼ばれると、支店全体に緊張が走ります。彼はこの時、あるベテラン次長の異動に遭遇し、衝撃を受けることになります。
その次長は、人柄が良く、誰からも慕われる人物でした。カツラを着用していたというユーモラスなエピソードもありましたが、その実、部下からの信頼も厚かったようです。その次長が部長室に呼ばれ、約10分後、部屋から出てきた彼はなんと号泣していました。その様子は、まるでガチ恋が破れたおじさんのようだったといいます。人前で感情を露わにする姿に、彼は改めて銀行という世界の厳しさを感じました。
豆知識：
この異動発表では、異動者が一人ひとりの席を回り、異動先を直接報告する慣例があるそうです。周囲は皆、異動先を知っているにも関わらず、丁寧に挨拶をして回る姿は、なんとも独特な光景ですね。
42歳は片道切符の島流し？
その次長が異動となった先は、グループ会社のカード会社「セディナ」でした。一見すると、関連会社への出向のように思えますが、この業界では「片道切符の島流し」を意味するそうです。半沢直樹の世界で描かれていたような、出世ルートから外れた者が左遷される状況が、まさに現実として存在するのです。42歳で銀行員としての「ゲームセット」を告げられるというのは、まさに衝撃的な事実でしょう。
元銀行員によると、その次長は出世街道から少し遅れながらも、ようやく管理職に昇進したばかりだったそうです。にもかかわらず、たった1年で出向を命じられてしまったのです。グループ会社に出向すると、2年間は元の年収が保証されますが、その後は転籍となり、出向先の給与体系に移行します。年収1300万円～1400万円だった次長の年収が、一気に700万円～800万円まで下がってしまうケースも少なくないといいます。
これは、プロ野球選手やサッカー選手が30代後半で引退するのと似ています。高収入を得られる時期は限られており、その後はキャリアの再構築が必要になるのです。
黄昏研修の恐ろしさ
この「島流し」という現実を裏付けるように、メガバンクには「黄昏研修」というものが実在するそうです。この研修は、45歳前後になった行員全員が受講するものです。研修では、次のような厳しい現実が突きつけられるといいます。
- 「皆さんは銀行員としてのキャリアの終盤です。」
- 「これから年収が下がる人がほとんどです。」
- 「お子さんの学費など、支出が増える時期です。お金の使い方を考えましょう。」
この研修は、将来を見据え、自分の人生をどう再設計していくかを考えるためのものだそうです。キャリアの終着駅が近づいていることを本人に自覚させ、来るべき現実に対応させるための準備期間といえるでしょう。この研修の名前を聞いた時、元銀行員はミスターチルドレンの曲以外で「黄昏」という言葉を聞くとは思わなかったと語っています。
この黄昏研修で言われるように、銀行員として働き続けるか、グループ会社へ転籍するかという選択を迫られるのです。たとえ銀行に残ったとしても、51歳か52歳で迎える「役職定年」を境に、年収が大幅に減ってしまうのが現実です。
補足情報：
役職定年後、年収が500万円程度まで下がるケースもあるようです。これは、銀行員としてのキャリアが、若いうちにギュッと凝縮されていることを示しています。だからこそ、若くして高収入が得られるのかもしれません。
銀行員に求められる覚悟とは？
今回の話を聞いて、銀行員の仕事に対するイメージは変わったでしょうか？平均年収が高いことは確かですが、その代償として、人生の設計を凝縮して生きる覚悟が求められる世界なのです。若くして高収入を得る時期は限られており、40代、50代でキャリアの転機が訪れます。それは、出世競争に勝ち残って役員クラスに昇進するか、それとも大幅な年収ダウンを受け入れるかという、厳しい選択です。しかし、この厳しい現実を正面から受け止め、それでも「自分は出世して勝ち残るんだ！」という強い意志を持てる人には、非常にやりがいのある環境だといえるでしょう。
もしあなたが銀行員を目指しているなら、あるいは今後のキャリアに悩んでいるなら、この「早すぎる引退」という現実を頭に入れておくことが大切です。高収入というメリットだけでなく、その裏にあるシビアな世界も理解しておくことで、より後悔のないキャリア選択ができるのではないでしょうか。
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