ブリューゲルのバベルの塔は〇〇の象徴だった!?美術史家も驚愕の深すぎる考察

ブリューゲルのバベルの塔は〇〇の象徴だった!?美術史家も驚愕の深すぎる考察 フリートーク

はじめに:ブリューゲルの描いた謎めく塔

皆様、こんにちは!今日は、一度見たら忘れられない、ピーテル・ブリューゲル1世の代表作「バベルの塔」について深掘りしていきたいと思います。「旧約聖書に出てくるあのバベルの塔ね!」と思われた方も多いのではないでしょうか?もちろん、それも間違いではないのですが、実はこの絵画、もっと奥深いメッセージが込められているようなんです。さあ、ブリューゲルの描いた壮大な世界を一緒に旅してみましょう!

バベルの塔ってどんな話?:意外と知らない聖書の記述

まず、バベルの塔の物語を簡単におさらいしましょう。多くの人が、人間が天まで届くような高い塔を建てようとしたため、神様が怒って塔を破壊し、人々は言葉が通じなくなって散り散りになった、という話を思い浮かべるかもしれません。しかし、旧約聖書の創世記を読んでみると、少し違う記述があるんです。

なんと、聖書には塔が壊されたとは書かれていないのです!神様は、人々が同じ言葉を話し、協力して塔を建てているのを見て、「これでは彼らが何を企てても妨げることはできない」と考え、人々の言葉を混乱させ、お互いの言葉が理解できなくしてしまった、とされています。つまり、塔は未完成のまま放置された、というのが聖書の記述に近いようです。ちょっと意外ですよね!

もう一つのバベルの塔物語:ユダヤ古代史の視点

聖書の記述とは別に、興味深いバベルの塔の物語が残されています。それは、フラウィウス・ヨセフスの「ユダヤ古代史」という書物に出てくる話です。こちらによると、バベルの塔を建てさせたのは、ノアのひ孫であるニムロデという人物。彼は、洪水が再び起こっても溺れないように、非常に高い塔を建てようとしたとされています。先祖の洪水体験がトラウマになっていたのかもしれませんね(笑)。

豆知識: ニムロデは旧約聖書にも登場する人物で、「力ある狩人」として描かれています。彼の建設した都市は、バベルの他にも、アッカド、エレクなどが挙げられています。

また、「ユダヤ古代史」では、神様が塔を破壊する方法も語られています。聖書では言葉を混乱させたとありますが、こちらでは風を吹き付けて塔を倒したとされています。物語によって解釈が異なるのも面白いですね!

バベルの塔の描かれ方の変遷:四角から丸へ?

さて、ブリューゲルの描いたバベルの塔は、らせん状の巨大な塔として有名ですが、実は昔の絵画では、バベルの塔は四角い塔として描かれることが多かったようです。1370年頃にドイツで描かれた絵や、1430年頃のフランスの写本に出てくるバベルの塔は、どちらも四角い形をしています。当時の建築技術を反映していたのかもしれませんね。

では、いつからバベルの塔はらせん状に描かれるようになったのでしょうか?そのヒントとなるのが、イラクにあるマルウィヤ・ミナレットという塔です。9世紀頃に建てられたこの塔は、らせん状のデザインが特徴で、バベルの塔のモデルになったという説もあります。

豆知識: ミナレットは、イスラム教のモスクに付属する塔で、礼拝への呼びかけ(アザーン)を行う場所です。マルウィヤ・ミナレットは、その独特な形状から、多くの人々の目を引いてきました。

しかし、ブリューゲルの時代にこのミナレットの情報がヨーロッパに伝わっていたかは定かではありません。むしろ、ブリューゲル自身がイタリアに修行に行った際に見たローマのコロッセオが、らせん状の塔のイメージに影響を与えたのではないかという説が有力です。確かに、コロッセオの外壁の構造は、らせん状のバベルの塔と共通する部分がありますね!

ブリューゲルのバベルの塔:単なる聖書絵画ではない!?

ブリューゲルがバベルの塔を描いたのは、16世紀後半のこと。この時代、ネーデルラント(現在のオランダ・ベルギー周辺)は、スペイン・ハプスブルク家の支配下にあり、宗教改革の真っ只中にありました。特に、オランダはプロテスタントの勢力が強まっており、1568年からはスペインとの間で八十年戦争(オランダ独立戦争)が勃発するなど、激動の時代だったのです。

そして、ブリューゲルが活躍したアントワープは、この戦いの激戦地のひとつでした。カトリックのスペイン軍とプロテスタントのオランダ軍が激しく争う中、1585年にはアントワープはスペイン軍によって陥落してしまいます。この時、多くのプロテスタントの画家たちが街を逃れたと言われています。

ここで注目したいのが、この時代、アントワープを中心に、バベルの塔を描いた画家が非常に多かったということです。なぜでしょうか?

実は、ブリューゲルのバベルの塔には、当時の社会情勢、特にスペインによる支配やカトリック教会への批判が込められているのではないか、という見方があるのです。当時、ローマはルネサンスの華やかさの陰で、腐敗が進んでいると言われていました。その象徴的な建物であるコロッセオをモデルにしたバベルの塔は、傲慢で腐敗した権力の象徴として捉えられた可能性があります。

そして、スペイン国王フェリペ2世は、カトリックの擁護者として、プロテスタントを厳しく弾圧していました。ブリューゲルのバベルの塔に描かれた、天まで届くような巨大な塔を築こうとする人間の姿は、フェリペ2世の強大な権力へのアンチテーゼとして解釈することもできるかもしれません。「神の領域にまで手を伸ばそうとする人間の傲慢さ」というテーマは、当時の人々の心に深く響いたのではないでしょうか。

また、ブリューゲルのバベルの塔は、建築的にも非常に細かく、正確に描かれています。これは、単なる聖書の物語の絵画としてだけでなく、当時の建築技術や社会状況を反映した歴史的な記録としての価値も持っていると言えるでしょう。

ブリューゲルのバベルの塔から現代へのメッセージ

いかがでしたでしょうか?ブリューゲルの「バベルの塔」は、単なる聖書の物語を描いた絵画ではなく、当時の社会情勢や人々の思いが複雑に絡み合った、非常に奥深い作品であることがお分かりいただけたかと思います。この動画を見ることで、皆様の美術鑑賞がさらに豊かなものになれば幸いです。

この動画を見るべきかどうか

  • 絵画の背景にある歴史や社会情勢を知りたい:★★★★★
  • ブリューゲルの作品についてもっと深く理解したい:★★★★★
  • 聖書の物語や歴史に興味がある:★★★★☆

さあ、あなたもブリューゲルの描いた謎めく世界に足を踏み入れてみませんか?

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