会議の前に、関係部署に事前に話を通しておく「根回し」。ビジネスを円滑に進めるために必要不可欠だと感じる一方で、「正直、面倒くさい…」「その時間があれば、もっと本質的な仕事ができるのに!」と思ったことはありませんか?この根回し文化、実は企業の生産性を大きく左右する重要なテーマなんです。この記事を読めば、あなたの会社の「根回し」を客観的に見つめ直し、明日からの働き方をアップデートするヒントがきっと見つかりますよ!
この記事で得られること
メリット:一見、非効率に見える「根回し」の本当の意味や、逆に生産性を下げる「悪い根回し」を見極める視点が身につきます。組織の中で賢く立ち回り、効率的に成果を出すための考え方を学びましょう!
見どころ5段階評価
- 元銀行員の衝撃的根回し術:★★★★★
- ワークマン式「しない経営」の真髄:★★★★☆
- ひろゆき氏が語る「コスパの良い根回し」:★★★★☆
そもそも「根回し」って、本当に必要?
「うるさい上司を味方につける」「反対する部署を事前に説得する」…会議をスムーズに進めるための事前工作、それが根回しです。しかし、街の声を聞くと「面倒くさい」「時間の無駄」といったネガティブな意見も少なくありません。「会議で一発で決めちゃえよ!」という声には、思わず頷いてしまう人も多いのではないでしょうか。
この風潮をさらに加速させているのが、あのワークマンです。同社は「根回し禁止」を掲げ、「しない経営」を実践。土屋専務は「根回しは不毛なシステム。会議で激論を交わして結論を出す方がよほど効率的だ」と断言します。資料作成も原則禁止で、口頭での報告を推奨。この徹底した無駄の排除が、業績拡大につながったというのですから驚きです。
一方で、実業家のひろゆき氏は、根回しを全否定はしません。「こういう企画を思いついたんだけど…と事前に相談するのは、時間の無駄を省くために必要」と語ります。誰かがすでに提案して却下された案件を、また会議で蒸し返すのは非効率ですよね。つまり、会議という皆の時間を有効に使うための「事前確認」としての根回しは、合理的だという考え方です。
では、一体どこからが「良い根回し」で、どこからが「悪い根回し」なのでしょうか?ここからは、元銀行員の必要派とIT社長の不要派、両者の意見を詳しく見ていきましょう!
【必要派】元銀行員が語る「根回しは美学だ!」
「根回しは仕事がうまく進むなら何でもやるべき。もはや美学です!」
そう力強く語るのは、元メガバンク行員の元神さんです。銀行のような巨大組織では、登場人物が非常に多く、一人ひとりを味方につけていかないと物事が進まないのだとか。まさに、仲間を集めて巨大なボスに挑むRPGのようですね!
50人規模の飲み会で座席表!?徹底しすぎる根回し術
元神さんが実践していた根回しは、私たちの想像をはるかに超えていました。なんと、50人規模の飲み会で、事前に全席分の座席表を作成していたというのです!
その手順も徹底しています。
- 事前にお店の席をすべてチェック
- 誰をどこに座らせるか緻密に設計した座席表のドラフトを作成
- 「この人とこの人は仲が悪いから離そう」「この二人は不倫関係にあるから近くに…」など、人間関係を考慮して先輩に壁打ち(レビュー)を依頼
- 自宅で作業し、翌朝一番に上司に提出して最終確認
「そこまでやる!?」と驚いてしまいますが、元神さんは「上司や先輩に気持ちよく飲み会を終えてもらうことが、若手の評価につながる」と考えていたそうです。これにはひろゆき氏も「飲み会を開くだけで10万円以上の人件費がかかっている。コスパが悪すぎる」と反論。しかし元神さんは、「会社への意見を本気で言う人より、どうでもいいことで対立する人の方が多い。そうした無用な衝突を避ける意味は大きい」と主張します。
豆知識:日本特有?海外の根回し事情
元神氏が指摘するように、特に中国をはじめとするアジア圏のビジネスでは、会食でのコミュニケーションが非常に重要視されます。お酒を酌み交わし、信頼関係を築くことが、契約を成功させる鍵となるケースも少なくありません。グローバルに働く上では、こうした文化的な違いを理解しておくことも「根回しスキル」の一つと言えるかもしれません。
根回しは出世への近道?トラブルを未然に防ぐマネジメント能力
元神さんによれば、根回しができる人は、仕事の全体像を把握し、キーパーソンを見極め、円滑なコミュニケーションを取る能力に長けているとのこと。結果として、トラブルを未然に防ぐマネジメント能力が高いと評価され、出世のチャンスも掴みやすくなる、というロジックです。「上司を立てて、仕事ができる人だと思わせる」ことも、組織で生き抜くための重要なスキルなのかもしれません。
【不要派】IT社長が断言「根回しは時間の無駄」
「根回しに拒否感を持ったのは、まさにメガバンクとのやり取りがきっかけでした」
そう語るのは、IT企業代表のもちさんです。投資銀行時代、クライアントであるメガバンクの意思決定プロセスの異常な長さに驚愕したと言います。
メガバンクの長すぎる意思決定プロセス
もちさんによると、銀行の組織は階層が非常に多く、担当者から課長、次長、部長…と、一つひとつの階層で承認を得るのに膨大な時間がかかります。これは、各階層の上司が「部下がどれだけ案件を理解し、準備しているか」を試している側面があるからだとか。
「最初から役職の高い人が案件に入っていれば、このプロセスは不要なはずです」ともちさんは指摘します。意思決定者が最初から関与せず、判断材料が少ないまま話が上がってくる組織構造そのものが、非効率な根回しを生む土壌になっている、というわけです。
豆知識:アジャイル開発と根回し
IT業界で主流の「アジャイル開発」という手法は、短いサイクルで計画・設計・実装・テストを繰り返し、関係者が常に進捗を共有します。意思決定者が頻繁にレビューに参加するため、大規模な「根回し」は発生しにくく、変化に強い組織づくりに貢献しています。これは、もちさんの指摘する組織構造の問題を解決する一つのモデルと言えるでしょう。
問題は「根回しする側」より「される側」にある?
議論の中で、非常に興味深い視点が提示されました。それは、「問題は根回しを“する側”ではなく、“される側”にあるのではないか」という点です。
例えば、こんな光景、あなたの職場にはありませんか?
- 部長がPC操作に不慣れだからと、Excelのデータをわざわざ印刷して渡す。
- 上司に説明しやすいように、過剰なまでに詳細な資料を作成する。
- FAXや紙でのやり取りに固執し、デジタル化を拒む。
これらはすべて、根回しをされる側、つまり上司や決裁者が、適切な判断能力や責任感を持っていないために発生する「新たな仕事」です。部下は上司に気に入られるためにその無駄な仕事を受け入れますが、本来は問われるべきではないコストが発生しています。根回しされる側が正常に機能していれば、こうした非効率な慣習は生まれないはずなのです。
ひろゆきが斬る!「コスパ」で考える根回しの境界線
対立する両者の意見を聞き、ひろゆき氏は「結局はコストパフォーマンスの概念があるかどうかだ」と核心を突きます。
「根回しで得られる利益が、かけた時間や人件費というコストを上回るなら、それは『良い根回し』です。しかし、家でサービス残業をしてまで座席表を作るような、コスト度外視の根回しは間違っている」と、バッサリ。
つまり、根回しを「善か悪か」で二元論的に捉えるのではなく、その行為が会社やプロジェクトの利益にどれだけ貢献するか、という「費用対効果」で判断すべきだという、非常に明快な視点です。
あなたの会社はどっち?明日からできる仕事術
今回の議論を通じて、「根回し」には様々な側面があることが分かりました。
- 良い根回し(効率的な事前相談):会議の時間を短縮し、無駄な議論を避けるための合理的なコミュニケーション。
- 悪い根回し(過剰な忖度):旧態依然とした組織文化や、決裁者の能力不足から生まれる非効率な作業。
最後の、元神さんともちさんのやり取りも象徴的でした。出身大学が同じだと分かると、もちさんは「銀行の人ってそういうの好きですよね」とチクリ。これもまた、ウェットな人間関係を重視する「根回し文化」の一端なのかもしれません。
あなたの職場で行われている「根回し」は、果たしてどちらのタイプでしょうか?
もし、それが非効率な「悪い根回し」だと感じたら、いきなりすべてを否定するのではなく、まずは「この作業は、本当にプロジェクトの成功に不可欠ですか?」と、その目的を問い直すことから始めてみてはいかがでしょうか。一つひとつの業務のコストパフォーマンスを意識することが、組織全体の生産性を高める第一歩になるはずです!
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